【ネタバレ注意】漫画「テセウスの船」あらすじ・最終回解説!

【ネタバレ注意】漫画「テセウスの船」あらすじ・最終回解説!

もし、自分の父親が過去に殺人事件を起こしていて、貴方が事件当時の時代に戻ることが出来たら、どう行動しますか?

東元俊哉さんによる漫画『テセウスの船』は、1989年に起きた大量殺人事件をめぐり、現代から過去へタイムスリップした田村心が、事件の真相と家族の運命を追う本格ミステリーです。

「真犯人は一体誰なのか?」
「佐野文吾は事件犯として逮捕されない過去はあるのか?」
「過去を変えることで、未来はどう変化するのか?」

物語が進むにつれて次々と明らかになる衝撃の真実。そして最終回では、『テセウスの船』というタイトルそのものにもつながる重要な意味が描かれます。

この記事では、漫画『テセウスの船』のあらすじから事件の真相、犯人の正体、そして最終回の結末まで、ネタバレありで徹底解説します

※本記事は重大なネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

「テセウスの船」とは?

初版発行日‎‎2017年9月22日発売
出版社講談社
作者東元俊哉
巻数全10巻(コミックス)
ジャンルサスペンス
Wikipedia「テセウスの船」のWikipedia

2017年から連載が開始されたテセウスの船。連載後は人気を博したことから2020年には竹内涼真さん主演でテレビドラマ化もされています。

「テセウスの船」登場人物

佐野・田村家(最初の世界)
田村心:本作の主人公
田村由紀:心の妻
田村未来:心の娘
佐野文吾:心の父。大量殺人の犯人として服役中
田村和子:心の母
田村鈴:心の姉(1番目の子)
田村慎吾:心の兄(2番目の子)
音臼町の住人達
木村さつき:音臼小学校の教師
木村敏行:さつきの父。木村鍍金工場を営む
三島明音:小学生(鈴と同級生)
佐藤陽:小学生(鈴と同級生)
冴島真理:小学生(鈴と同級生)
児玉直弘:小学生(鈴と同級生)
西脇勉:小学生(鈴と同級生)
佐田悦子:小学生(鈴と同級生)
加藤みきお:小学生(鈴と同級生)
藤崎正也:小学生(鈴と同級生で転校生)
三島千夏:明音の妹
長谷川翼:新聞配達をしている青年
佐々木紀子:長谷川翼の婚約者
田中義男:元音臼町会議員
田中正夫:義男の息子
金丸:刑事
佐野・田村家(2度目の世界)
村田藍:1度目の世界では田村鈴
岸田由紀:1度目の世界では田村由紀
木村みきお:1度目の世界では加藤ゆきお
千葉:施設(しらぎくの杜)の相談員

「テセウスの船」のあらすじ

「テセウスの船」本編のあらすじを紹介します。

まだ「テセウスの船」を読んでいない方は最初に漫画を読んで頂くことをオススメします。

【テセウスの船】というパラドックスの意味が分からない方は以下をご覧ください。※ネタバレを含んでいるので注意して読んで下さい。

1巻のあらすじ(1~7話)

テセウスの船とは
パラドックスのひとつ。
その昔、クレタ島から帰還した英雄〈テセウスの船〉を後世に残すため修復作業が行われた。
古くなって朽ちた部品を徐々に新しい部品に交換していくうちに当初の部品は全てなくなった。

この船は最初の船と同じと言えるのか?
このパラドックス(矛盾)が〈テセウスの船〉と呼ばれている。

主人公の【田村心】は毎晩のように悪夢にうなされていた。

心には悲しい過去があった。

生まれる前、父親であり警察官の佐野文吾が、とある事件の犯人として逮捕された。

1989年6月、北海道の音臼小学校で無差別殺人があった。
1月には村の5歳の女の子が除草剤を誤飲して死亡。
3月には女の子の姉が失踪して行方不明に。
翌月には村人の変死体が発見。

当時、これらの事件は事故として扱われたが、佐野文吾だけは事件として捜査していた。

そして6月24日に事件が起きる。
小学校のお泊まり会で夕食時に突如39名が腹痛や吐き気を訴えて病院に搬送。
児童16名と学校職員5名の計21名が死亡した。

その後の調べで、夕食時に出されたオレンジジュースに青酸カリが混入されていたことが判明。
後日、警察は佐野文吾の自宅から青酸カリを押収したことから逮捕となった。

犯罪者の家族と言うことで、心や母親の【田村和子】をはじめ兄弟は世間から冷たい目で見られ、冷遇されながら生きていた。

教師になりたいという夢を持っていたが、身内に犯罪者がいるということで諦めざるを得なかった。しかし、【田村由紀】と結婚して幸せな日々を過ごしていた。

由紀は2人の子供を身籠っていたが、出産時に体調に異変をきたして亡くなってしまいます。

生まれてきた娘を【田村未来】と名付けた心。これから2人で生きていくことを誓います。

ふと生前、由紀が残したノートを見た心は、佐野文吾の事件に『冤罪の可能性がある』ことに気付きます。

事件の真相を知るために北海道の音臼村に向かいます。音臼小学校の跡地に立った心は急に濃霧に巻き込まれ、その場に倒れ込んでしまいます。

気が付くと心はタイムスリップしていました。


タイムスリップした日は1989年1月7日。

音臼小学校の児童【佐野鈴】が自宅屋根の除雪中に転落していたところを発見した心。近隣に助けを求めて病院へ運ぶと佐野文吾と対面します。

心にお礼を述べながら、気さくに接する佐野に対して、心は事件のことを思い出しキツく当たってしまいます。

病院の外に出た心は【三島千夏】と出会います。

千夏は1月7日の夜にパラコート中毒で死亡した少女。

自宅倉庫にあった除草剤(パラコート)を誤って飲んで、激しい腹痛を嘔吐で病院に搬送され、そのまま死亡していた。

心は千夏の死亡を防ぐためパラコートを盗んで破棄。安堵をしていたところ、千夏が佐野と歩いている場面を見かけます。

必死に追いかけるも見失ってしまった心。あてもなく歩いていると、若かりし頃の母和子と姉の【田村鈴】弟の【田村慎吾】と出くわし、一緒に病院へ向かいます。

鈴の顔にアザが残っていないことを確認した心は《自分の行動次第で過去を変えられる》ことに気付きます。

後から佐野が現れ、千夏の家からパラコートを盗んだことがバレてしまいます。しかし、佐野はそのことには触れず、逆に和子の配慮で自宅に泊まることになります。

その夜、三島千夏が亡くなったことが明らかになります。

翌日、心は外を歩いていると新聞配達員の【長谷川翼】と出くわします。長谷川は『心が三島家からパラコートを盗んだことを目撃した』と詰め寄ります。

小競り合いを目撃した佐野によって長谷川は帰っていきますが、心は佐野への疑いの目を弱めることなく、いざとなったら佐野を殺してでも事件を止めようと決意をするのでした。

2巻のあらすじ(8~16話)

佐野は素性が分からない心を怪しみ調査を開始。家から出ていくよう和子に申し出ますが、和子は心を庇い、自宅に住まわせたいと譲りません。

心は1月12日に死亡した【木村敏行】の事故を防ごうと考えます。※木村敏行は無差別殺人で亡くなった教師【木村さつき】の父親。

心は木村家に直接出向き、8時10分頃荒川橋付近で雪崩が起きることを示唆。当然、面識のないよそ者のたわ言を信じることはなく、敏行は車で出掛けてしまいます。

佐野のパトカーに乗り込み必死に追う心。クラクションを鳴らしたことで、寸でのところで雪崩に巻き込まれることを回避するのでした。

この件も含めて、佐野家と心は徐々に信頼関係を築きはじめていきます。

心が外を歩いていると北海道県警捜査一課の【金丸】に呼び止められ、三島千夏の件で事情聴取を受けます。未来を予知しているような行動を不審に思う金丸は心が犯人ではないかと疑いの目をかけます。

佐野のフォローによって、その日は警察署に戻りますが、その目に諦めはありませんでした。

このままでは警察に捕まることを悟った心。これまでの言動から佐野が殺人を犯す人間だとは思えないと感じ、『自分が未来から来たこと』を告げます。

半信半疑ながらも心を信じた佐野は「2人で事件を解決しよう」と共闘体制を組みます。


木村さつきが父親の命を助けた謝礼で佐野家を訪問します。

会話している中で心が小学校の臨時職員として紹介する流れとなり、後日校長先生と面談したうえで心は小学校の臨時講師となります。

転校生の【藤崎正也】と共に5年生の教室に入る心。緊張の面持ちだった心ですが、生徒全員の顔と名前を憶えており、児童の心を掴みます。

5年生の生徒達

佐藤陽

冴島真理

児玉直弘

西脇勉

佐田悦子

加藤みきお

三島明音

佐野鈴

無事に初日を終えた心。自宅に戻ってからは佐野家のみんなに労をねぎらってもらいます。食事の後、2月5日に元音臼町会議員である【田中義男】が亡くなることを佐野に伝えるのでした。

翌日、心が学校に行くと飼育されているうさぎが惨殺されていました。

生徒が落ち込む中、木村さつきは《過去にも同じようなうさぎ惨殺事件があったこと》を心に伝えると、心は佐野を呼んで事件の概要を伝えるのでした。

うさぎの事件に加えて、心が「長谷川から飴を貰うな」と話したことでクラスメイトの空気も悪くなっていきます。

田中義雄の死が気になる佐野。話を聞いた日から息子の【田中正夫】と交渉して、毎日田中義男の家に通うようになります。義男の家には5年の生徒が通いますが、その中に1人うさぎの殺害を仄めかす人物がいました。

後日、田中義雄の家に行った佐野と心は、義雄の部屋の中にあるメモ帳に人を殺す描写があることに気付くのでした。

3巻のあらすじ(17~25話)

心は〈メモ帳に変な絵を描いた人物とうさぎを殺した人物は同一ではないか?〉という説を佐野と話し合います。

来たる2月5日。佐野と心は田中義男の家に向かい、終日見張りを行います。正夫は2人の行動を怪しみながらも、強引に居座る2人。

すると、和子から鈴が行方不明になったと電話が入ります。しばらくして、三島明音の両親が田中義男宅へ訪問。明音も行方不明になったという話を聞いて、心と佐野は鈴・明音の捜索に出掛けます。

その頃、明音は〈とある場所の小屋〉の中に閉じ込められていました。

閉じ込めたのは長谷川翼。長谷川は《お稲荷様の呪い》という言葉を持ち出して明音に近付き、そのままレイプしてしまいます。

小屋を出た長谷川は捜索中の心と出会いますが、しらばっくれて自宅へと戻ります。婚約者の【佐々木紀子】にも何も告げず、明音の写真を自分の部屋で見返すのでした。

一方、吹雪の中を彷徨っていた鈴は家族に発見され、保護されることに。心は再び田中義男の自宅に向かい様子を伺いますが、義男は生存していました。

『過去が変わったこと』を確認して自宅に戻ります。


明音が依然行方不明であることから、佐野は「事件のことが書いてあるノートを見せて欲しい」と心に伝えるも、心は拒否。口論になる中、金丸が訪問してきます。

佐野は心を裏口から逃がし、長谷川の自宅へと向かわせます。長谷川宅に到着した心、佐々木紀子が対応します。

2月12日、佐々木紀子は飼い犬が殺害されていたことを確認。

4月6日、佐々木紀子は青酸カリを飲んで自殺。

紀子は長谷川が不在であることを伝えて、心を追い返します。そしてその後、長谷川が女児に対して暴行している写真を見つけて燃やすのでした。

紀子が青酸カリを持っていたことに疑問を感じた心。佐野と共に紀子が勤めている木村鍍金工場(木村敏行が社長を務める会社)に訪問します。

青酸カリについて質問をしたのち薬品庫を除くと、青酸カリを入れた瓶が盗まれていました。


翌日、学校に行くと心は〈人を殺す描写があるメモ帳〉を生徒達に見られてしまいます。

加藤みきおはその絵にある〈飛行機〉を見て、[音臼岳にある小屋]の上についている物と似ていると心に伝えます。

心と佐野は音臼岳に向かい必死の捜索で小屋を発見。中を覗いてみると、大人の足跡・明音の所持品・吐しゃ物を発見します。

その後も捜索を続けるも金丸が現れ、公務執行妨害で心を逮捕。警察署で事情聴取を行うことになります。

ここで、とある神社で長谷川翼と三島明音が心中のような形で亡くなっている姿が描かれます。

4巻のあらすじ(26~34話)

警察署に連行された心。三島明音と長谷川翼の遺体が見つかったことを知らされると金丸からの激しい尋問を受けます。そして「お前の知っていることを全て話せ」と正体を明かすよう促します。

三島明音・長谷川翼の殺害状況
三島明音は長谷川翼によって性的な暴行を加えられ、そのまま小屋の中で青酸カリを飲まされて殺害された。
死亡推定時刻から長谷川翼は青酸カリを飲んで自殺したと思われる。
状況から事件前に一緒にいたと思われる佐野鈴が何かを知っている可能性が高い。

拘留されていた心は一旦保釈となりますが、家に戻ると近所の住人から白い目で見られていました。

過去と違うことが起こっていることからノートを捨てた心は佐野に現実を伝える事にします。

[6月24日音臼小学校で21人が青酸カリで無差別殺人される。犯人は自分の父親である佐野文吾である]

衝撃の事実を突きつけられた佐野は激しく動揺し、心の胸ぐらを掴んで詰め寄ります。そして「証拠がないなら出ていけ」と叫び、心を追い出します。

追い出された心がアテもなく外を歩いていると濃霧が辺りを包んで心は失神。気が付くと現代に戻っていました。


2017年に戻った心は事件を調べると《音臼小学校で起きた無差別殺人は佐野文吾が犯人》という事実は変わらず…

ただ事件が起きた後、〈和子は一家心中をはかっており、和子と慎吾は死亡した〉というニュースを目にします。鈴にも三島明音殺害の疑いが掛かっているようで事態は悪化していました。

急いで自宅に戻る心。違う状況に置かれていることに気付き、由紀と未来を探しますが実家に行っても発見することは出来ず。

携帯電話の履歴にあった〈しらぎくの杜〉という番号に電話します。【千葉】という人物とアポを取ってしらぎくの杜に向かう心。

心の記憶はありませんが、千葉は話をします。

  • 2年ぶりに会うこと
  • 北海道に行くことを相談していたこと
  • バスケをやっていたこと

その話を聞いた後、心は事件のことを千葉に尋ねます。

音臼小学校の無差別殺人が起きた後、取材陣が佐野の自宅に殺到して和子はノイローゼに。

一家心中をはかり、和子・慎吾が死亡したのち、心と鈴はしらぎくの杜へ入所。しばらくは上手くやっていたが、佐野文吾の子供たちだと分かると2人はイジメにあうことに。

鈴は中学校を卒業した後、しらぎくの杜を出ていき、その後の行方は知られていない。

自宅に戻った心。しばらくするとチャイムが鳴り、郵便が届きます。

届いた封筒を開けるとタイムリープしたときに見た〈人を殺す描写があるメモ帳〉に酷似した紙が入っていました。

真犯人が生きて、自分を監視していることに気付いた心。由紀の身を心配して、由紀の実家へと向かいます。

5巻のあらすじ(35~43話)

由紀と再会する心。ですが、由紀は心のことを覚えておらず、連絡先だけを渡して立ち去ります。

帰宅後、由紀が訪問してきます。由紀は【岸田由紀】と名乗り、雑誌の編集者として働いていました。事件について踏み込んだ質問を受けたことで心はドアを閉めて由紀を追い出します。

後日、由紀は心の自宅に手紙を入れます。

由紀は自分の仕事で佐野文吾と連絡を取っていました。佐野は事件について知りたいことがあれば[東京の田村心を頼れ]と言い残していました。


心は佐野文吾と面会するために北海道へと向かいます。

刑務所で佐野と面会をした心。佐野は当時現れた心のことを覚えており、その後について語り始めます。

心がいなくなり、東京に帰ったのではないかと噂されるようになった。

2月に金丸が死亡。ひとりで音臼山に行き、崖に近づき転落したという見解がなされた。
三島家は病院を閉院して村を出て、長谷川翼の婚約者佐々木紀子も村を出た。

春が来て、鈴が6年生・慎吾が小学1年生となった。佐野は来る6月24日のお泊まり会に向けて、学校へ入り浸ったが現実を変えるに至らなかった。

そして当日、佐野は鈴・慎吾をお泊まり会に参加させず、警備員として現場へ向かった。なんとかお泊まり会を中止させようとしたが、理由がないためお泊まり会は決行。

当日は何もなかったが、翌日になり人がどんどん倒れていく。牛乳に青酸カリが入っていることが判明して、佐野の自宅に証拠となる瓶があったことで逮捕された。

話を終えた後、佐野は鈴が先日面会に来たことを告げます。

連絡先を聞いた心は鈴の自宅へと向かい、2人は久しぶりの対面を果たします。鈴は生きていくために整形して、名前も変えており、現在は【村田藍】と名乗っていました。

藍が家に帰ると車椅子に乗った夫が待っていました。夫は「今まで弟がいるなんて聞いたことがなかった」と藍を問い詰めます。恫喝され、怯えた藍は今度心を誘うと約束をします。

場面は変わり、弁護士と面会する佐野。弁護士は以下のことを伝えます。

[長谷川翼の婚約者であった佐々木紀子(現在は氏名変更)が、佐野の無実を証明するため証言台に立つ準備がある]


後日、藍に呼ばれた心は和子・慎吾の墓参りにいきます。

6巻のあらすじ(44~53話)

《佐野が逮捕されて以降の悲惨な生活》について語りながら、墓参りを終えると、その後2人で佐野がいる刑務所に面会に向かいます。

藍はこれで父に会うのは最後にするという心づもりで会話をしますが、佐野から佐々木紀子の話題を出されます。

その帰り、2人は藍の夫である【木村みきお】と義母に会います。

藍は心を挨拶のみで帰そうとしますが、みきおが強引に引き留めて自宅に招き入れます。

みきおは自分が[音臼小学校の無差別殺人]の当事者であることを語り、お泊まり会の前日に犯人を見たと供述。

そして、その犯人が【佐野文吾】であったと話すのでした。

心の帰り際、みきおは6月24日に音臼村で慰霊祭があることを伝え、一緒に参加するよう誘います。


当時の証言を聞きたいと思いながら、佐野の息子だとバレたら一大事になることを懸念する心。岸田由紀に電話をかけてアポをとります。

後日、喫茶店で会った2人。心は由紀に《佐々木紀子が証言をする準備があること》を伝えますが、背後には木村さつきが潜んでおり、会話を録音していました。

その夜、さつきは慰霊祭の責任者と電話で話して、佐々木紀子の住所を入手。慰霊祭にも向かうことを責任者に伝えるのでした。

心の携帯電話に佐々木紀子から電話がかかってきます。紀子は慰霊祭の前に話したいと申し出ますが、心はその前に会いたいと伝えて、紀子の自宅へと向かいます。


さつきは藍を〈木村鍍金工場〉に呼び出します。

藍は「お義母さん、何ですか?」と聞きます。木村みきおの義母は【木村さつき】でした。

さつきは藍の正体が【佐野鈴】であることを知っていました。その事実をネタに、一緒に佐々木紀子宅に行くよう脅迫。

2人で佐々木紀子宅へ向かい対話をはじめます。

7巻のあらすじ(54~62話)

佐々木紀子は音臼小学校の無差別殺人事件が起きることを前から知っていました。

1989年に三島千夏が自宅倉庫で亡くなった後、紀子は長谷川翼から青酸カリを盗むよう指示された。

暴力によって反抗が許されず、青酸カリを盗んで渡した翌日。家に帰ってきた長谷川は「明音ちゃんは死んだ」と伝えます。

「3日後に解放するなんてあいつの嘘だった。殺すとは聞いてなかった」と語り、明音の遺体を隠すため外出。

そして翌日、長谷川と明音は遺体で見つかった。

紀子は後日、警察からの取り調べを受けるが上手く誤魔化して容疑を否認。

さつきが更に話を聞くと紀子は話を続けます。

紀子は金丸が殺される瞬間を見ていた。

音臼山で金丸が捜査をしている時を見ていた紀子。金丸は”ある人物”と話をはじめます。

“ある人物”は心が持ち込んだノートを提示。佐々木紀子が6月4日に自殺することを伝えた後、金丸を殺害します。

自分の死が予言された紀子は怖くなり、村を出て行った。

話を終えた後、さつきは紀子のティーカップに毒を入れることを提案。

藍が拒否をすると《なぜ自分が紀子を殺そうとするのか?》を語ります。

自分も無差別殺人事件で普通に生きられない体になってしまったこと、事件後に佐野家に青酸カリを運んだこと、真犯人を知っていることを話し、藍に真犯人を伝えます。

戻ってきた紀子から犯人の写真を見せられた後、さつきから「明日は人がいっぱい死ぬことになる。音臼事件みたいに」という言葉を投げかけられます。

その言葉を聞いて藍は紀子宅を出て逃げ出します。逃げ出した先には心と由紀がいました。心達と会った瞬間に倒れる藍。心は藍を病院へ運び込み、一命を取り留めます。

病院に行った藍は《紀子の家で事件の犯人を聞いたこと》を伝え、その犯人が【木村みきお(加藤みきお)】であることを伝えます。

一方、紀子と2人になったさつき。証言を辞めるよう説得しますが、言うことを聞かない紀子の様子を見て、さつきは刃物で切りかかり殺害します

さつきはある人物に電話をして事態を報告した後、自分の体を刃物で刺します。その後、警察に電話をして「娘の藍に殺害された」と伝えるのでした。


藍の話を聞いた心は紀子の自宅へ向かいますが、紀子とさつきは担架で運ばれて病院へ向かう場面に出くわします。

その後、入院したさつきはお見舞いに来たみきおによって毒殺されます。

藍を警察に保護するよう依頼する心。心は慰霊祭での無差別殺人を防ぐために旧音臼村へと向かい、音臼小慰霊碑の前で待ちます。ここに犯人がくると信じて…。

しばらく待った後、ある人物が1人でやってきます。

8巻のあらすじ(63~71話)

現われた人物は【木村みきお】でした。

車椅子で生活していたゆきおですが、これまでの生活は偽装で自分本の足で立っていました。

そして、過去に心が捨てた免許証などを拾っていたことから、心の正体を[タイムスリップとして当時臨時教師となった田村心である]と知っていました。

タイムスリップをする方法を聞きながらも襲い掛かるみきお。その時、周りを濃霧が包み、2人が揉み合う中で心は再びタイムスリップします。


揉み合った際に刃物を刺されており、そのまま倒れ込む心。

佐野文吾に助けられて隣町の病院で介抱されます。6月20日、目を覚ました心は佐野文吾に全てを話します。

行方不明になったあと、2017年に戻った。

そこで未来の佐野文吾に会った。事件は起こり、佐野は事件の犯人に仕立て上げられる。

そして、犯人は【木村さつき】と【加藤みきお】である。

2人は加藤みきおの自宅に向かいますが、表札はなく留守でした。

その時、木村さつきと偶然出会ったことで車で自宅まで送ります。そして、加藤みきおのことを聞くために「家にあげてくれ」と頼み、さつきの部屋の中に入っていきます。

  • 自宅にシアン化カリウムの札が貼られた瓶があること
  • 加藤は祖母と2人暮らしであること
  • 2日前にみきおは引っ越しをしたこと
  • 祖母が心臓の病気で入院することになり、みきおは隣町の施設にいくことになったこと
  • みきおは小樽出身。家庭環境が悪かったことで祖母の元にきたこと

心は焦って木村さつきを逮捕させようと動きますが、冷静な佐野は事件を整理しようと諭して作戦を考えます。

2人は加藤みきおがいる施設へと向かいますが、叔父と名乗っている【加藤信也】がみきおを引き取ったことを聞きます。

行方を探しながらも手掛かりが掴めない2人は1度自宅に戻ります。

加藤みきおは田中義男の自宅にいました。義男に珈琲を入れて対話をする2人。ここでみきおは学校で飼育していたうさぎを殺害したことを自供します。

そして、みきおの背後にもう1人の大人が…。

その人物は田中義男を殺害して、自宅に火をつけます。大きな火事になったことで心と佐野は田中宅へと訪問しますが、その隙を見計らって佐野の自宅に到着します。

9巻のあらすじ(72~80話)

加藤信也はみきおの行方を聞くふりをして和子に玄関を開けさせると、隠していたナイフを握ります。

しかし、鈴が出てきたことによって殺害を自重。何もせずに帰っていきます。


翌日、田中義雄死亡のニュースで街の話題が独占される中、和子は昨夜【加藤みきおの親戚を名乗る男】がやってきたことを佐野達に伝えます。

加藤信也が音臼町にいると踏んだ佐野と心は、大家に依頼して加藤みきおの自宅を捜索します。

引き出しの中には〈鈴と明音以外の生徒に何度も画鋲で刺した跡がある写真〉や〈無数のカセットテープ〉があったため押収。

佐野は心に2つの依頼をします。

  • 事件後に青酸カリを佐野宅に入れるのは難しい。事件前に持ち運んでいる確率が高いから探してほしい。
  • 事件が起きる前に和子をはじめとした家族を街の外に避難させてほしい。

一方の佐野は警察内で事件概要をもう1度確かめます。

長谷川翼と三島明音が亡くなっている写真を見た時、首に不自然なアザがあることを見つけます。佐野は[青酸カリでの殺害が失敗したから考察したのではないか]という仮説を立てます。


和子たちは富良野にいる親戚を頼り、車で街を出ます。

しかし、町に行く途中。道路に三角コーンが置いてあり、それをどかそうと車を出ると何者かが現れるのでした。

お泊まり会まであと2日。時間が迫る中、2人は捜査を続けますが加藤みきおの行方は分かりません。

そんな中、木村さつきの自宅に加藤みきおから電話が入り、『お泊まり会には出席する』という連絡が入ったことを伝えられます。

事態が進んでいる中、焦りを見せる佐野。富良野の親戚に電話をしても和子たちが到着していないことを知り、さらに焦りの色を強めます。


お泊まり会当日、佐野は加藤みきおを捉えるため駅で張り込みを行います。心は参加者全員に持ち物検査をするよう手配をします。

その時、加藤みきおは、未来からタイムリープした【木村みきお】と一緒に居ました。

加藤みきおは長谷川翼から性的暴行を受けていた。そのことをネタに長谷川を脅し、明音を小屋に連れてくるようみきおに命令していた。

長谷川が明音に暴行した後、毒入りのお茶を飲ませたが死に至らず、加藤みきおが首を絞めて殺害した。

2人は過去の事件について語り、お泊まり会での惨劇を決行すべく計画を実行します。

最初に加藤みきおは木村さつきを呼び出します。

ここで心が1度目のタイムリープをした後の回想へ。

木村さつきは身寄りのない加藤みきおの身を案じて養子に迎えることにした。

しばらくは2人で生活をしていたが、生活をしていくなかで[加藤みきおが事件を引き起こした事実]を知ります。

みきおはさつきを殺害しないよう嫌いな牛乳に青酸カリを入れた。しかし、さつきは生徒に人工呼吸をしたことで中毒症状が出てしまった。

みきおは警察の目を逃れるために青酸カリが入った牛乳を少しだけ舐めた。

加藤みきおと木村さつきが話をしているなか、背後から木村みきおがやってきて木村さつきの首を縄で締めます。

10巻のあらすじ(81~89話)

木村さつきが行方不明となったことで騒然とする校内。心は佐野を呼びよせて、口内を調べると窓ガラスが割られ、黒板に加藤みきおの絵が書いてありました。

参加者への持ち物検査を強制するなかで校内放送が流れます。加藤みきおの声であったことから、放送室に向かった2人はみきおと対面します。

みきおの所持品を調査して、水筒に入った水分を捨てますが、ここまではみきおの予定通り。

みきおはクラスメイトを呼び出して個包装になった粉を渡し、水に溶かして飲むよう指示します。


お泊まり会が始まると心は即座に火災報知器を鳴らして、会を中止にさせようとします。しかし、報知器は何度押しても反応せず。

行動を先回りされていたことに気付いた心は急いでみんなが集まっている場所へ。子供たちが粉を入れて水を飲もうとしているところをみて必死に止めます。

しかし、この粉は毒ではありませんでした。

その時、佐々木紀子が兄の佐野慎吾をおぶって学校にやってきます。慎吾は『和子と鈴が捕まって拉致されている。自分は逃がされた』と語り、1枚の紙を持っていました。

その紙には、三島明音が拉致されていた[音臼岳にある小屋の飛行機]が描かれていました。

  • 和子と鈴が拉致されている場所であろうこと
  • 心を呼び出すための罠であること

上記を悟った心は危険を承知で小屋に向かいます。

小屋に向かうと背後から意思で殴られます。気付くと心は手錠をかけられ、隣には木村さつきが倒れていました。

小屋には灯油がかけられ、今まさに火をつけようとしている人物が1人。その人物は心と同じタイミングでタイムリープした【木村みきお】でした。みきおは今回の企みと事件の動機を語ります。

今回の世界線では音臼小学校の大量殺人を起こすつもりはない。自分が好意を寄せる佐野鈴を自分のものに出来ればそれでいい。

過去に音臼小学校の無差別殺人事件を起こしたのは《佐野文吾への恨み》だった。

転校してきたときの加藤みきおは完全に心を閉ざしていた。しかし、佐野鈴の優しさを目の当たりにして鈴に好意を持った。

好きな人がいるかどうかを鈴に聞いた時、鈴は「父親のような正義感の強い人が良い」と答えた。

正義を信じていないみきおにとって、許せない回答だった。だから、鈴と喧嘩をした明音を殺害した。

そして、事件を起こして佐野文吾を殺人犯にしようと目論んだ。

木村みきおは[加藤信也としての遺書]を書いていました。

小屋のなかで、心に加藤信也として死んでもらう。それが木村みきおの筋書き。

みきおは火をつけて小屋に引火させます。


鈴と和子は手足を縛られ拘束され、学校の体育館で拉致されていましたが、【加藤みきお】が助けに来ます。

[みきおはヒーローになることで鈴を惚れさせようと考えていました]

この結末に困惑する佐野。心を心配して小屋に向かおうとしますが、背後から刃物を持った木村みきおが迫ります。

木村みきおが襲い掛かった刹那、小屋から抜け出した心が身代わりになり刺されます。心はそのまま死亡してしまいます。

最終話のあらすじ(10巻89話)

事件から28年後の2017年6月10日。

佐野文吾一家は心の墓参りを兼ねて、〈閉村が決まっている音臼町〉にやってきます。

かつて心達と埋めたタイムカプセルを掘り起こす佐野達。掘り起こした中には心が埋めた《結婚指輪》と《家系図》も入っていました。

帰り途中、鈴はコンビニで週刊誌を立ち読みします。そこには【加藤みきお】と【木村みきお】が起こした音臼町の殺人事件に関する特集がなされていました。

佐野文吾は家系図に書いてあった【岸田由紀】という名前を見て、彼女を探そうと考えていました。

慎吾は文吾が書いたメッセージを【現代を生きる佐野心】にメールで転送します。

心は学校の先生になっており、由紀らしき女性と仲良くしていた。

ここでメッセージが入る。

その昔…、クレタ島から帰還した英雄テセウスの船を人々は後世に残そうとした。

時と共に古くなって朽ちた部品を新しい部品に交換していくうちに当初の部品は全て無くなっていた。

ここで矛盾が生じる。

この船は最初の船と同じと言えるのか?

最後に少年院を出所したであろう加藤みきおが札幌の大通りを歩いている描写が描かれ、漫画「テセウスの船」は終了となります。

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もう一つの『テセウスの船』を、あなた自身で確かめてみてはいかがでしょうか?

この記事の監修者

ギャンラブ管理人モト

蒼井ユウ|漫画考察ライター/元週刊誌編集者

週刊漫画誌の編集部にて10年勤務。構成・キャラ分析・伏線回収など「読者が見落としがちなポイント」を深掘りする記事を執筆中。

書籍『漫画から見る人物観察学』出版予定。

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