
短編ながらも衝撃の展開が次々と襲いかかる漫画『うなぎ鬼』。
中でも、多くの読者の心をえぐったのがミキの死と、最悪の後味を残したラストシーンです。
この記事では、ネタバレを含みながら、
👉 ミキの死因は何なのか?
👉 物語の最後、主人公たちはどうなったのか?
これらを徹底考察し、作品が投げかける“人間の欲望と代償”についても掘り下げていきます。
「うなぎ鬼」とは?
初版発行日 | 2014年9月22日発売 |
連載誌 | ヤングキング(少年画報社) |
原作 | 高田侑 |
作画 | 落合祐介 |
巻数 | 全3巻(コミックス) |
ジャンル | サスペンス、バイオレンス、ホラー |
Wikipedia | うなぎ鬼のWikipedia掲載はなし |
初版発行日 | 2010年4月24日発売 |
連載誌 | 角川ホラー文庫(KADOKAWA) |
作者 | 高田侑 |
巻数 | 全1巻(文庫本) |
ジャンル | サスペンス、バイオレンス、ホラー |
Wikipedia | うなぎ鬼のWikipedia掲載はなし |
『うなぎ鬼』は、高田侑による原作小説をもとにしたサスペンスホラー作品。漫画版は作画を落合裕介が担当し、青年誌『ヤングキング』で連載、全3巻がリリースされています。
物語は、ギャンブル依存症の冴えない中年男が借金を抱えたことで、裏社会の仕事に手を染めていく様を描いた裏社会もの。
人間の欲望、裏社会の闇、そしてどんでん返しが待っている結末――
一度読み始めれば止まらない緊迫感と、読後に重く残るテーマ性が特徴です。
小説版は角川ホラー文庫から刊行。文字コンテンツであるがゆえの緊迫感とスリルが魅力の作品です。
うなぎ鬼のあらすじ
主人公の倉見勝(くらみ まさる)はギャンブル依存症の男で競艇に一獲千金を夢見るクズ人間でした。
ヤミ金に手を出したところで、自分の愚かさに気付くも、支払いが滞ってしまい闇金事務所へ連れていかれてしまいました。
そんな倉見を救ってくれたのが闇金を始め裏社会の商売を手広くやっている社長の千脇。
千脇は倉見のガタイの良さと強面の顔を評価して借金の取り立て役として雇用します。
果たして、倉見はどんな仕事を背負わされるのか?
うなぎ鬼の最終回
山木との事件から4ヵ月が経過。
倉見は妻の朋子と一緒に住んでおり、朋子は懐妊。
あと2ヶ月で出産という状況の中、倉見は風俗嬢の送迎を行いながら平和に暮らしていました。
倉見がかつて犯したミキを殺害したという罪
この罪悪感は子供が生まれれば、消えるのではないかと言う期待込みで日々の業務をこなしていました。
一方でミキの復讐に失敗した山木は姿をくらませていた。
ある日、倉見は朋子に「おいしいものがあるから早く帰ってきて」と電話がかかってきた為、家に戻ってみるとうなぎを焼いている朋子の姿がありました。
倉見は「この鰻、どうしたの?」と聞くと朋子は「山木さんという人が届けてくれた」と答えます。
山木の名前に驚愕する倉見
子供が生まれ、これから幸せに生きる未来図を描いていた倉見の顔は一気に青ざめます。
ここで家の電話が鳴りだした場面でうなぎ鬼は終了となります。
ラストシーンの意味を考察
うなぎ鬼のラストシーンは含みを持たせ、余韻たっぷりの描写となっていますが、私なりに考察した結果について解説していきます。
ラストシーンに込められた意味
・悪を犯した人間は簡単に幸せになる事は出来ない
・人間の心の中には大いなる善と大いなる悪が棲んでいる
・倫理観、視座を鍛える事の重要性
悪を犯した人間は簡単に幸せになる事は出来ない
ラストシーンは倉見の平穏な日常から始まります。
様々な事情があったとはいえ、一人の女性を殺害してしまった倉見がとても穏やかな顔になっており、平和に生きている事に大きな違和感を抱えていました。
実際に悪事を働きながらも、平穏に暮らしている人は世の中にたくさんいるのだと思います。
ただ、うなぎ鬼では自らを殺害しようとした山木が再び現れたことで、倉見は一生山木の影に怯えながら生くことになります。
つまり人を殺した事実から一生逃げられないという事…
この描写を見ると悪事を働いた人間はそう簡単に業から逃げる事が出来ない。
そんなメッセージが込められていたのではないかと考察します。
人間の心の中には大いなる善と大いなる悪が棲んでいる
性善説、性悪説などの言葉がありますが、人間には善と悪が同居しています。
うなぎ鬼の最後には「鬼なるか人なるか、心眼のあるか無きか」と書かれた色紙がピックアップされます。
鬼なるか人なるか、これは人としての悪の部分を増幅させてしまうのか、善の部分を増幅させるのか、どちらの顔を見せて生きていくのかという意味が込められています。
いい人、悪い人ではなく、人にはいい面と悪い面があって、その二面性を持ちながら生きているのだという教訓のように感じました。
倫理観、視座を鍛える事の重要性
前述した「鬼なるか人なるか、心眼のあるか無きか」の後半部分、心眼のあるか無きかという点という部分にもメッセージが込められています。
心眼を辞書で調べてみると以下のような意味が出てきます。
物事の真実の姿を見抜く、鋭い心の働きのこと
私は「真実の姿を見抜く力がないと、人は悪に染まっていく」と解釈しています。
自分にとって本当の幸せとは何なのか?必要なものは何なのか?
しっかりと自分の内面と向き合わないと大切なものを見失ってしまいます。
例えば、職場でのマウントの取り合いで高級な車に乗っている、いい家に住んでいる、ブランド物を身に着けているなどの情報を聞いた時に「自分もこいつに負けたくない」という気持ちが芽生えて不要な散財をしてしまう。
果たして自分は本当に高級車に乗りたいのか?ブランド物で着飾りたいのか?という事を考えると案外そうでない人が多いのではないでしょうか…
マウント合戦に流されてしまうと意味のない浪費をしてしまい、物を手に入れても本質的に必要なものでもないのに幸福度も上がらない、人に張り合うことにより、足の引っ張り合いに参加してしまう。
こうすると鬼に近づいていくのだと思うのです。
主人公の倉見も最初はギャンブルジャンキーでした。
でも別にギャンブルしてなくても人間は幸せなんですよ。
そして、ギャンブルで一時的にお金を得たとしても大した使い道はないんですよね。
この心眼を持たず、真実の見えていない姿が「うなぎ鬼」という漫画のストーリーを作り出していて、このドラマこそが「己の心眼を磨け」というメッセージに繋がるのでしょう。
ミキの死因を考察
ミキは風俗嬢として千脇の経営するデリヘル店で勤務を行いますが、裏で顧客を美人局(詐欺)にかけて大金を巻き上げる悪女です。
そのターゲットは運転手である倉見にも及び、その悪意に気付いた倉見は激情してミキをレイプしてしまいます。行為が終わって我に返った倉見、ミキを起こそうとすると死んでいる事が判明するのでした。
描写では激しく首を絞めたり、殴ったりする場面は見えない中でなぜミキは死んでしまったのか…
ヒントになるのは以下の2点。
- 倉見が行為を終えた後、ミキのお尻を触ったら大便がついていた
- 千脇が倉見の元に着いた時は、大量の大便で匂いがきつすぎる状況にあった
これらから思い浮かぶのは”首吊り自殺をすると大便・小便”が漏れるという有名な話
この話通りであれば倉見によって首を絞められて窒息死したのではないかという仮説が立ちます。
この説が本当なのかどうかネットで調べてみました。
- 人が亡くなると大便・小便が漏れてしまう理由
- 死亡による全身の筋肉の緩和。
無意識で力の働いている括約筋ももちろん緩むので漏れてしまう。
死んだ直後に脱糞するかどうかは死に方で決まるのでは無く、死んだ瞬間に直腸の肛門近くに大便があるかどうかで決まる
理由をまとめると上記のような形になります。
つまり窒息死だとは断定できません。
ここでレイプ時に相手を死亡させてしまうケースがあるのかどうかも調べてみました。ただ、ここについては具体的な事例は見つかりませんでした。
可能性としては、窒息死か車内のどこかに頭を強くぶつけて脳挫傷などで死亡している可能性の2択。
漫画の描写を見てみると、倉見はミキの髪を激しく掴んでうつ伏せの状態で顔を座席に押し付けたままレイプをしています。
この点を考えるとやはり窒息死の可能性が高いと考えることが妥当ですね。
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一度読めば、もう後戻りできない――
人間の欲望と狂気が交錯する衝撃作『うなぎ鬼』。
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まとめ
ここまでは、作中で最もインパクトの合ったミキの死亡シーンとラストシーンについて深掘りをしていきました。
『うなぎ鬼』は、人間の欲望と業の深さをテーマに描かれた作品。
自分の中にいる善悪の存在。心眼を極めることの重要さを訴えかけてくれる深みのある作品なので、まだ読んでいない方は、ぜひ一度その衝撃を体験してみてください。