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漫画「ギュゲスのふたり-透明な能力者たちの破滅譚-」は2022年から「サンデーうぇぶり」にて連載された大人気漫画です。
ここでは「ギュゲスのふたり-透明な能力者たちの破滅譚-」全般のあらすじ紹介しつつ最終回を含めた解説を行っていきたいと思います。
また登場人物も一覧形式でまとめていますのでご確認ください。
(本記事はネタバレを含む場合がありますので漫画を読んでからご覧になる事を推奨します)
初版発行日 | 2022年12月12日発売 |
作者 | 作者:カトウタカヒロ |
巻数 | 全7巻(コミックス) |
ジャンル | サスペンス・ホラー |
Wikipedia | ギュゲスのふたりのWikipediaは無し |
「ギュゲスのふたり」冒頭のあらすじ
漫画家の藤堂健は自分の担当と折り合いが合わず
漫画アシスタントの日向優は自分の担当に実力を認められず
お互いに悩みを抱えて苦しんでいました。
そんな二人は取材である言い伝えのある雲見八幡宮を訪れます。
- 雲見八幡宮の言い伝え
- ある村の青年である2人は雲見八幡宮に行った後、姿を見せなくなっていた。
村人は神隠しを恐れ、それ以降神社に近づこうとしなかったが、数日後に村人、家、村そのものが忽然と姿を消していた。
ここでお参りした事で藤堂は人の姿を消す能力を獲得し、日向優は自らの姿を消す能力を獲得してしまいます。
藤堂はふとした時に折り合いの付かない自分の担当者である中村の前で姿を消した事で、中村から特殊能力の事をバラすと恐喝されます。
そして、犯罪まがいの事業を持ち掛けられ、追い詰められてしまった事で藤堂は中村を殺害してしまいます。
藤堂は中村の遺体を自分の能力で透明にしてなんとか事件を隠ぺいしようとします。
特殊な能力を得てしまった藤堂と日向はどのような人生を辿っていくのか?
「ギュゲスのふたり」登場人物
「ギュゲスのふたり」に出てくる登場人物をおさらいします。
- 漫画家関係者(登場人物)
- 藤堂健:主人公、過去にヒット作を出すが現在はくすぶる漫画家
日向優:もう一人の主人公、才能を認められずにくすぶる漫画家の卵
佐倉華:少年ファンディの編集部、中村の後任
中村:少年ファンディの編集部、藤堂の担当
花山院:少年ファンディに連載を持つ売れっ子漫画家
七瀬藍:少年ファンディに連載を持つ漫画家、元アシスタント
向井七彩:藤堂の元妻で元アシスタント
黄金勝利:少年ファンディの編集長
テストちゃん:花山院のアシスタント
- ヤクザ関係者(登場人物)
- キンタ・和馬・モラレス:藤堂の幼馴染、ヤクザの組長
犬童:殺し屋三犬の一人、爆撃鬼
犬谷:殺し屋三犬の一人、毒弁天
狛狗:殺し屋三犬の一人、辻斬り
四方二郎:人改組組長(三犬によって殺害)
衣川源十郎:人改組組長(四方の後任)
黒磯:人改組の殺し屋部隊「鴉」の一人
乱菊:人改組の殺し屋部隊「鴉」の一人
レッキングブラザース:人改組の殺し屋部隊「鴉」の一人
野仲丈二:光理会会長(三犬によって殺害)
野仲豪毅:光理会会長(丈二の後任)
メイファン光理会の殺し屋部隊「鵺」の一人
- 警察関係者(登場人物)
- 神内文吉:テングの一人
小早川:神内の相棒
武虎千景:マル暴の刑事、キンタの部下(スパイ)
鰐淵:刑事
楠木達司:警察庁長官(三犬によって殺害)
小川原:警視総監(三犬によって殺害)
- テング(登場人物)
- 天膳雫:剣士
猿飛SASUKE:ハッカー
つぼね
太郎坊
イヅナ
五右衛門
阿国
- ギュゲスの手下(登場人物)
- 橘環:山西高校の生徒、ギュゲスに目をつけられる
菅原翔:山西高校の生徒、環の友達
ロコス照之:元工場勤務
スパルトイ麗央:元銀行員
ニンフ紗羅:不登校の女子高生
- その他の登場人物
- 三池美香:山西高校の生徒、環の友達
タクミ:七瀬藍の彼氏、DV気質あり
- 漫画の登場人物
- キンディノス:透明人間ゼロに出てくる悪役、キンタがモデル
以下にてプロローグ以降のあらすじを紹介したいと思います。
「ギュゲスのふたり」本編のあらすじ
「ギュゲスのふたり」本編のあらすじを紹介します。
まだ「ギュゲスのふたり」を読んでいない方は最初に漫画を読んで頂くことをオススメします。
ヒーロー活動開始
自分を透明に出来る能力を得た日向優は、中村を殺害した直後の藤堂の家を訪問します。
自身の能力を藤堂にはじゃぎながら報告する日向。
藤堂は日向をなだめつつ中村の死体を透明にして何とかその場をやり過ごします。
翌日になります
藤堂は透明にした中村の死体をバラバラにして分割でゴミ出しする計画を実行していました。
その後、藤堂の家にやってきた日向はボツになった漫画の原作を藤堂に見せアドバイスを求めます。
アイディア力に欠ける部分がある事を指摘した藤堂は、日向に対して透明能力を使ってヒーロー活動を行うよう指示。
共同製作で「透明人間ゼロ」を書き上げようと提案します。
日向が家から帰った後、藤堂は3つの事を実行する決意をします。
- 藤堂の3つの決意
- ①中村の遺体を隠ぺいし完全犯罪を実行する
②日向を漫画家として自立させる
③透明人間ゼロの連載を成功させる
翌日からヒーロー活動を行う藤堂と日向
東堂は中村の死体遺棄も含めて活動を行います。
警察に職務質問を受けながらも遺体を上手く隠し、日向は通り魔を退治し、初日のヒーロー活動を成功させます。
翌日「少年ファンディ」の編集部に属する佐倉華から中村の行方について問い合わせを受けます。
中村については知らないと回答した藤堂は、佐倉に「透明人間ゼロ」が編集部に話が通っているかを確認。
すると中村は編集部に話を通していない事が判明します。
作品を高く評価した佐倉は2日後に行われる少年ファンディの納涼会で編集長に直談判をする事を提案します。
正体が明かされるヒーロー
少年ファンディの納涼会に参加した藤堂
漫画家仲間の花山院や七瀬藍らと交流を深める中で、佐倉と一緒に編集長に直談判を行います。
作品自体は評価されたものの既に連載枠が埋まっていた為、連載する事は断られてしまいます。
しかし、人気作家の花山院が藤堂の作品を気に入り、自分の連載を辞退して藤堂に連載を譲ります。
その後、花山院はトイレに藤堂を呼び出すと、中村の失踪は藤堂の仕業なのではないかと言う推理を立てます。
- 花山院の推理
- 白菱はLL事件の犯人を突き止めようと八野衣真を調べていた中で売春ビジネスに辿り着き、そのビジネスをSKALLが引き継いでいる事を知る
畑中葉子から情報を聞こうとしたが、途中でエイジが葉子と共にやってきた為、事情を話したところエイジからSKALLを潰すために現金強奪襲撃の計画を持ち掛けられてエイジと2人で実行する。
畑中葉子とは強奪実行を計画した後に別れたが、佐井によって暴行を加えられていた事を目撃した。
図星を突かれた藤堂は勢いで花山院を透明にしてしまい、その後花山院は車に轢かれて生命危機の状態で入院を続ける事になります。
花山院が瀕死の状態になり、漫画の連載を続けられなくなった事で連載が回ってきた藤堂
翌日から日向と一緒に漫画のネタ探しであるヒーロー活動を行います。
透明になった日向が入ったのは七瀬藍の家
七瀬はメンタルを拗らせており、人間関係を円滑に築くことが出来なかった背景からホストのタクヤにDVを受けながらお金を貢いでいました。
日向は自分の過去のトラウマに触れた事からタクヤを殴り七瀬藍を助けます。
- 日向優の過去
- 日向優は幼い頃から父親が母親に対してDVを行う家に住んでおり、最終的には父親が母親を殺害しています。
施設に送られ幼年期を過ごしてきた日向は藤堂が描いた漫画「燃えタロウ」の主人公に憧れ、藤堂健のアシスタントになっていた
七瀬を助けた日向は車の中に居る藤堂の元へと戻りますが、透明な姿から普通の姿に戻ったところをタクヤに撮られてしまいます。
藤堂はタクヤを始末しますが、日向を撮った写真はキャバ嬢を経由して、ヤクザの組長であるキンタの元へ渡ります。
キンタと藤堂は小学生時代の幼馴染だった事もあり、キンタは藤堂に接触。
透明人間の存在を確信すると偽の監禁事件を計画し、透明人間である日向を呼び出し、姿を現したところで捕まえる事に成功します。
日向を救出に向かった藤堂は日向のいるビルへと入りますが、そこにはキンタと談笑する日向がいました。
日向に危害を加えていなかった事もあり、藤堂はキンタを信頼し、自らの能力の事を伝えるのでした。
- 藤堂がキンタに伝えた秘密
- 藤堂が触れたものを透明にすることが出来る能力のみ
日向が自らの力で透明人間になれる事は伝えず
キンタの野望と目論見
ヒーロー活動を行った藤堂と日向は漫画のシナリオ力が上がり、藤堂が連載する「透明人間ゼロ」は人気が上昇し、日向は新連載が決まります。
キンタは藤堂の連載開始祝いとして高級時計屋に招待しますが、時計を選んでいる途中に強盗が入ってきます。
藤堂はキンタと人質を透明化する事で身の安全を確保しつつ、キンタは強盗達を退治し、警察へと突き出します。
事件は解決しましたが、キンタは人質の中に殺し屋である三犬(犬童、犬谷、狛狗)を紛れ込ませており、殺し屋を透明化する事に成功します。
銀行強盗事件が終わってから数日後
日本2大ヤクザの組長と警察幹部が何者かに暗殺されます。
藤堂はキンタが事件に関与している事を疑い、キンタ本人に確認を行いますが、真偽を問いただす事が出来ません。
そんな藤堂の元に失踪した中村の捜査をしている警察、神内と小早川が事情聴取のため訪問します。
聴取を行った際の様子から藤堂が中村失踪に関連している事を確信し、要注意人物としてマークを行います。
藤堂は神内から事情聴取を受けている時に花山院の意識が戻った事を教えられます。
花山院の病院へと向かった藤堂は透明にした凶器で花山院を殺害しようとしますが、花山院は藤堂に声を掛けます。
藤堂の能力を見破った事、花山院はガン末期で余命が短い事、藤堂の行く末を見守りたい事を伝えて殺人を留まらせるのでした。
ヤクザの2トップ、警察庁のトップが殺害された後、財界、政界、反社会などあらゆる組織の要人たちが殺害され続けていました。
この状況に警察本部、2大ヤクザの人改組、光理会は総力を挙げて犯人を捕まえようとする状況で神内と小早川は依然、藤堂をマークを続けます。
仕事場で漫画を描いていた藤堂の元に透明人間となった三犬がやってきます。
脅迫をされた藤堂はキンタの元へと連れていかれるとキンタは以下のような提案をします。
- キンタの提案
- キンタは銀行強盗を起こした事、人質に三犬を紛れ込ませて透明人間にした事、ヤクザや警察のトップを殺害した事などを自供
自分達が殺害したのは自らの身を護るために他の人間を犠牲にしている悪人だと言い、世直しをしたいと主張
藤堂は力を身に着けた事で苦しんでいる事を見抜き、漫画家として活躍できるように悪人を掃討する世の中を創るために協力をしてほしいと問いかける
藤堂はキンタの姿に、自らの作品に出てくる悪役「キンディノス」を重ね、今後キンタの行く道を見てみたいと感じた事から了承します。
船上での激闘
花山院の病室にお見舞いに来た日向の場面へ
花山院は日向に対して「透明人間になれると聞いたよ」とカマをかけると日向はあっさりと自供
考えなく口に出してしまう日向の軽さを注意し、もっと強い人間になるよう言葉をかけると日向が姿を消した時は「自分を変質させられる」事を指摘します。
警察幹部・ヤクザトップ殺害事件の捜査本部へ
警察は依然、事件解決へのヒントを掴めない状態でしたが、ヤクザ暗殺の内部犯とおぼしき人物から
近々新潟の港で取引があり、首謀者も顔を出す
というタレコミが入ります。
このタレコミは藤堂が匿名で行っていたものでした。
藤堂はキンタから取引の情報を受け取った後、自身もキンタの器を見極める為、そして透明化の能力を得て多くに人を殺める事態になってしまった自身のケジメとして新潟の港へと向かいます。
藤堂が警察の尾行されている事に気付いたキンタは事故を起こして藤堂を拉致
警察に気付かれないように船の上まで移動させます。
気が付いた藤堂にキンタは今回の取引の目的を話します。
- キンタの取引の目的
- キンタは武器密輸のために船に乗っており、武器を透明にして国内に持ち込みたい
現代の世間に不満を持つ人物を集め、テストを行ったうえで仲間に加えて、世の中に蔓延る悪人たちを掃討し、世直しをしていきたい。
藤堂はキンタの計画には回答せずに警察と日向の動きを待ちます。
日向は花山院のアシスタントであるテストちゃんに連れられて武器密輸戦に乗り込みます。
ヒーローとして乗り込んだ日向は狛狗と対峙、透明人間同士の戦闘に突入します。
刀を使い手である狛狗ですが、透明になる事で身体能力を飛躍的に上昇させられる事に気付き覚醒した日向は透明化のオンオフを繰り返しつつ狛狗を倒します。
しかし、遠隔で爆弾を扱う犬童によって追い詰められた日向は誘き出され場所で狙撃され、絶命寸前のところまで追い込まれます。
このタイミングで密輸船にやってきたのは警察の神内と小早川
大男の小早川は高い身体能力とパワーで護衛達をどんどん倒していきますが、毒を操る犬谷によって戦闘不能状態まで追い込まれてしまいます。
小早川が倒れた事で神内が本来の力を発揮。
自らの体を透明にして護衛を倒します。
犬谷に対しても圧倒的な力を見せて追いつめると「なぜ透明になったのか?」尋問を始めますが、日向にやられた狛狗が復活して2対1での戦いになります。
2人で策を講じる犬谷たちですが、傷つけてもあっという間に復活する神内の前に敗北、神内はその後船に潜む護衛達を全て倒します。
日向と犬童が戦闘している甲板へ場面は移ります。
日向は瀕死の状態から最後の底力を振り絞り、己の体温を消しつつ上空からの攻撃を仕掛けてきます。
犬童は透明の日向を熱センサーでの感知が出来ず、渾身の一撃を喰らって倒されます。
戦闘後、現場にやってきたのは神内
犬童にトドメを刺しつつ日向も追い込んでいきます。
コンテナに隠れている藤堂とキンタの場面に移ります。
キンタの元へとやってきた小早川はコンテナをこじ開けるとキンタとのタイマン勝負になります。
金的で小早川を倒したキンタは神内の手を逃れる為に船から出ようとしますが、日向にトドメを刺そうとする神内と鉢合わせます。
愛弟子の日向を救いたい藤堂は能力が開花
物質の重量を消す事に成功して、巨大なコンテナを神内にぶつけて撃退する事に成功します。
藤堂の能力を利用してのし上りたいキンタは日向を人質として藤堂を支配下に置こうとします。
しかし、ここで藤堂の別人格が開花します。
藤堂はキンタの計画が一個人の復讐である事に退屈さを感じ、漫画の悪役キンディノスとしてのキャラクターのみしか価値がないと判断。
自らを『ギュゲス』と名乗り、キンタに対して「消えろ」と伝え制圧を行うのでした。
その後、船は大破し、船での事件は終焉を迎えます。
テングとギュゲスの戦い
船から戻ってきた藤堂は右目を負傷しており片目での生活を余儀なくされていましたが、日向と共に仕事に勤しんでいました。
今までの経験を漫画に落とし込んだ藤堂の「透明人間ゼロ」は1位、日向のデビュー作「エイユウメモリアル」は5位と好成績を残していました。
藤堂の職場に神内と小早川が訪問してきます。
日向は藤堂を庇うために自ら出頭して神内らと一緒に車に乗り込みます。
神内らが向かったのは警察署ではなく雲見八幡宮
神内は日向にここで透明になる能力を得た事を確認すると雲見八幡宮に関する歴史を語り始めます。
- 神内が語った歴史
- 雲見八幡宮で透明人間になることを「神隠し」と呼んでいた。
警察は神隠しにあった人間の事を『カクサレ』と呼んで、不思議な事件が起こった時には情報を追ってきた。
カクサレにあった者の中でも、それを術として昇華した者がいた。
その者は人々から「テング」と呼ばれていた。
雲見八幡宮の近くはテングの住む忍びの里があったが、ある時テングを恐れた人間たちにによって村ごと消されてしまった。
生き残ったテングたちはカクサレが世の中に蔓延り人間の反感を買う事を恐れ、誕生したカクサレを殺害する事で自らの種族を守ってきた。
テングの使命は世に混乱を招くカクサレを探して殺害する事
神内は日向にテングとなった味方となるのか、カクサレとして殺害されるのか、選択を迫ります。
日向が回答を迷っていると神内は日向に修行をつける事を告げ、テングの仲間入りをするよう意思を伝え、テング同士が殺し合わない為の合言葉「でじにっきちぇらいま」を教えます。
無事に自宅へと帰ってきた日向ですが、後日大事件が起こります。
船で武器密輸計画を行うキンタの動画がSNS上で流れた上で、警察署やヤクザの事務所にトラックが突っ込み建物が大破し、爆発が起こります。
日向はカクサレの仕業であることを前提に調査を始め、他のテングたちも事件解明に向けて動き出します。
今回の事件を起こしていたのは藤堂の別人格「ギュゲス」でした。
ギュゲスはキンタの部下だった犬谷に「嫉妬のディリティリオ」という名前を与えて、自らの野望を実行する透明人間の候補を探していました。
犬谷は電車に飛び込み自殺をしようとした日向の友人、橘環を救い透明化をします。
ギュゲスは(触感を消し、千切れるという概念を消した)透明な操作線を使い、環のような自殺未遂をした人間を透明化し、公園に集結させます。
ギュゲスは兵隊として機能していない環を殺害しようとしますが、透明人間ゼロとなった日向が現われます。
日向以外にもテングである天膳雫も現れて、透明人間たちを粛清しようと殺害を始めます。
殺害を防ごうとするとゼロが天膳と衝突している間にギュゲスは操作線を使って透明化を解除、記憶も解除させて足がつかないよう現場を収めます。
後日、環と会った日向は事件の概要を聞きます。
その中で藤堂が事件に絡んでいるのではないかと言う疑念が湧き始めます。
一方、キンタの部下でスパイとして警察官になっている武虎千景はキンタの行方を捜すために藤堂の元を訪れます。
藤堂は「キンタ失踪は神内の仕業である」と伝え、人改組と光理会の殺し屋部隊である「鴉」と「鵺」を透明人間部隊として利用しようと動きます。
キンタの輸送するため車で移動する場面へ
鵺と鴉はキンタの担当刑事を拷問し、キンタ輸送の情報を聞きつけ護送車を襲います。
キンタを奪還しようと透明化した鵺と鴉が暴れ回る中で現れたのはテング達
序盤は攻勢に出るテングですが、鵺と鴉は藤堂(ギュゲス)から得た能力で傷を治癒し、反撃に出ると大激戦に発展します。
キンタを攫おうとする殺し屋たちですが、日向が戦場に現われて更なるバトルへと発展
殺し屋集団を退けた日向は工場でキンタと対面
この瞬間に藤堂が現われ、自らが黒幕である事を告白します。
武虎が懇願した事によって藤堂はキンタの記憶を解放するとキンタは自分が利用されている事に逆上して、藤堂に拳銃を向け、殺害しようとします。
日向はキンタを制止しながらも今までの事件が藤堂の仕業だった事にショックを受けて涙を流します。
後から追ってきたテング達は藤堂が黒幕である事を知り殺害しようとしますが、重力・衝撃・痛み・質量、あまつさえ人の命も消す事が出来る藤堂の前になす術もなくやられてしまいます。
そして、藤堂は笑いながらその場を立ち去って行くのでした。
ギュゲスとのラストバトル
藤堂の漫画制作事務所へ戻ってきた日向は、中村殺害から今に至るまで全て藤堂の手のひらで躍らされていた事を振り返り、悲しみの涙を流して椅子の上でうずくまります。
そこにやってきたのは花山院とアシスタントのテストちゃん
花山院は藤堂の元妻であるアシスタントの向井七彩を連れてきていました。
七彩はかつて藤堂との間に子供を授かりながらも流産してしまったこと。
日向と出会った後の藤堂は生まれるはずだった子供を投影して、子供のように愛していた事を伝えます。
藤堂が書いていた日記を見た日向
・藤堂が日向に対して愛情を注ぎながら頑張っていた事
・中村を殺害し自らの破滅を予感しながらも日向だけは守ろうと思っていた事
・精神をギュゲスに支配されてしまった事
等々が書かれていました。
この日記を見た日向は藤堂をギュゲスから救う事を決めます。
そして過去に藤堂・ギュゲスと関わりがあったキンタ、小早川、花山院たちが集まってきて「ギュゲス被害者の会」改め「消える世界を救う会」を結成します。
一方、ギュゲスは世界崩壊を狙っていました。
- ギュゲスが狙う世界崩壊のシナリオ
- 最初に原子力潜水艦を消す事で核兵器を打ち込める存在を消す。
正体不明の場所から攻撃を受けた国々は疑心暗鬼になり、他国を疑い攻撃を開始。
世界大戦となり、世界は滅びていく
ギュゲスの目論むを阻止する為、テングは直接的な攻撃を計画
日向は花山院監修の元、自らの意識や心の距離を極限までに消す特訓を行い、キンタは各地にばらけているカクサレを捕まえて外国の要人を交渉し、潜水艦を調達していました。
消える世界を救う会一行は潜水艦に乗ってアラスカに向かいギュゲスと対峙
ギュゲスは質量、重力、空気摩擦を消し去り、数多くの戦艦を空に浮遊させており、日向たちが乗っている潜水艦に向けて一斉に攻撃を開始します。
日向は心の距離を極限までに減らして藤堂とリンクさせる事で、藤堂の能力を乗っ取り浮遊させた戦艦を止めます。
キンタは戦闘機で攻め込み、テングたちもギュゲスを目掛けて襲い掛かりますが、圧倒的な能力の前に近付くことが出来ません。
そんなギュゲスに近付く事が出来たのは心の距離を消した日向
日向がギュゲスと対峙している隙に他の仲間たちもギュゲスに迫ってきますが、ギュゲスは核ミサイルを世界中に向けて発射
打つ手なしの状態まで追い込まれますが、ギュゲスを消す事が出来れば核ミサイルは灰になると悟った日向はギュゲスに戦いを挑みます。
日向がギュゲスに触れた時、藤堂の意識が戻ってきます。
藤堂は日向が生きる為に自らに「消えろ」と暗示をかけて自決を行おうとします。
瀕死になりながらもギュゲスは藤堂の体に戻ってきますが、日向がギュゲスの体を掴み「グラウンド・ゼロ」を発動。
ギュゲスの意識を消し切った事で、核ミサイルも灰へと変わり、藤堂ごとギュゲスを消し去るのでした。
日向は気が付くと病院のベッドの上にいました。
ギュゲスと戦った記憶、藤堂と漫画を描いていた記憶が無くなってしまった日向。
ふと気が付くと意識が藤堂と漫画を描いていた作業場へと移動していました。
物語は最終回へと向かいます。
「ギュゲスのふたり」最終回あらすじ
「ギュゲスのふたり」の最終回を解説しますが、以下からはネタバレを含む記事となりますので、まだ「ギュゲスのふたり」を読んでいない方は最初に漫画を読んで頂くことをオススメします。
「ギュゲスのふたり」最終回あらすじ
日向は編集者の田川と打ち合わせをしていました。
日向が描いたネーム(ストーリー)を見た田川は面白いと絶賛
日向の新作「フィフス・アイズ」は100万部を突破する人気漫画の地位を獲得しており、日向も売れっ子作家へと駆け上がっていました。
五年前、日向が記憶を失ってから漫画家として急成長を見せていました。
何かを思い出すために筆を走らせていたものの描いても描いても記憶を取り戻す事は出来ませんでした。
そんな日向を陰で見守る花山院とテストちゃん
花山院は藤堂との記憶が戻らないままの方が日向によっていいのではないかと感じながらも、新作「フィフス・アイズ」を絶賛していました。
仕事場に戻ってきた日向は弟子のアシスタントからネームの相談を受けます。
アシスタントは自らの作品が酷評された事から「消えたい」と感じていましたが、日向は的確な分析を見せ励まします。
そして自分も過去に「消えたい」と思ったこと、最終的には現実と向き合って戦っていかないといけないこと、消えたいという気持ちとも戦わないといけないことを伝えます。
その後、何者かと電話した日向
怪しい人物と話している日向はまだヒーロー活動を続けている事を匂わせつつ、何かしらのトラブルの依頼を受けて救出に向かう事を約束
日向がいなくなった後、仕事場に戻ってきたアシスタントはこっそりと日向のスケッチを覗きます。
そこには「透明人間ゼロ」の姿が描かれていました。
【物語は以上で終了となります】