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漫画「ザシス」は2023年から「グラ ンドジャンプ」にて連載されていた大人気漫画です。
今回は漫画「ザシス」のあらすじ・最終回を解説しつつ、登場人物をまとめてみました。
初版発行日 | 2023年4月18日発売 |
作者 | 作者:森田まさのり |
巻数 | 全3巻(コミックス) |
ジャンル | サスペンス漫画 |
Wikipedia | 「ザシス」のWikipediaはなし |
「ザシス」登場人物一覧
漫画「ザシス」の登場人物を一覧形式でまとめてみました。終盤から登場する人物もいますので、「ザシス」を読んでいない方は先に漫画を読んで頂くことを推奨します。
「ザシス」に出てくる登場人物は以下の通りです。
- 登場人物
- 山内海
八木沢珠緒
田宮晋太郎
佐伯遥人
川瀬拳士
鈴木侑己
児玉凌
重松巨
仁志和真
本屋敷聖也
八名四十四
蔦先生
「ザシス」本編のあらすじ
「ザシス」本編のあらすじを紹介します。
まだ「ザシス」を読んでいない方は最初に漫画を読んで頂くことをオススメします。
「ザシス」1巻あらすじ
案内状
両手両脚をヒモで結ばれ、ビルの屋上に座らされた、スズキくんは何度も命乞いをした。
その人物はスズキを許すことなく蹴り飛ばすと、スズキは屋上から転落して死亡した。
編集者に勤める八木沢珠緒は雑用を任されることが多く、送られてきた投稿の審査をしていました。
そのうちの1冊に「ザシス」というタイトルの投稿がありました。
中身はいじめのドキュメンタリー。評価に値しないと判断した八木沢は机に投稿を置いたままにして帰宅します。
八木沢は恋人で中学教師をしている山内海と一緒に食堂でテレビを見ていると、海の中学三年生の時の同級生鈴木侑己が「手足を縛られて、屋上から突き落とされ死亡した」というニュースを見ます。
2人は山内海の自宅へ戻ると中学校時代の同級生である晋太郎が現れます。晋太郎を嫌う珠緒はすぐに帰り、晋太郎は鈴木の事件をネタにゴシップと思い出話をして帰宅。
1人になった海は自分のスーツをから「ウチのクラスでいじめがあります」という書き置きを発見します。翌日、海はいじめの調査をしますが、いじめの兆候を見つけることは出来ません。
会社に出社した八木沢は「ザシス」の投稿主から評価を聞かせろとしつこく粘着されていることを知らされます。
改めてに「ザシス」を読む八木沢は、投稿内容が鈴木侑己殺害の状況と酷似していることに気づきます。
カワセくんが道を歩ているとき、後ろからスタンガンをあてられ気絶。
目を覚ますと地下室のベッドに縛り付けられていた。ある人物が現れカワセの腹の上に底の抜けた鍋をセットする。
ネズミを数匹放ち、蓋をしたあとにガスバーナーで火をつけると、ネズミたちは熱い場所から逃げようとカワセの腹を食いちぎり、一斉に腹の中に入る。
カワセはそのまま死亡してしまった。
「ザシス」にはカワセ殺害の手口も記載されていました。
八木沢は原稿を読んだ後、川瀬拳士殺害のニュースを聞きつけ、「ザシス」が現実のことになっていると気付きます。
「ザシス」では”いじめられてた主人公から、中学三年生時代の同級生に同窓会の案内状が届く”と記載されていたため、山内に確認をすると晋太郎のもとに同窓会の案内状が届いていました。
同窓会の送り主の名前は、佐伯遥人
生き地獄
自宅に帰った八木沢は山内に「ザシス」を渡します。そこには佐伯遥人が受けたイジメの詳細が書かれていました。
- 佐伯イジメの記述
- 子供の頃からいじられていた佐伯。
親友の仁志和真と仲良くもなんとか学生生活を送っていたが、中学三年生になってから川瀬拳士、鈴木侑己、児玉凌、重松巨の4人からイジメられるようになった。
鈴木侑己からはベランダの外に落とされそうになり、川瀬拳士には制服内にネズミを入れられ、児玉凌には顔の皮を剝がされた。
閉ざされた記憶
イジメの詳細と鈴木、川瀬殺害の詳細までを読んだ山内たち。この先を読もうとしますが、八木沢が原稿をなくしてしまったため、先の展開が分からず、独自に調査をしようと動き出します。
ここで山内の閉ざされた記憶が開放されます。
- 閉ざされた記憶
- 児玉凌は偶然コンビニで出会った佐伯遥人に万引きの共犯を持ち掛けます。
佐伯が協力しなかったことで、児玉は店員に見つかり逃走。その後、偶然に出くわした佐伯をボコボコに殴ります。
なんとか逃走する佐伯ですが、通りがかった車に轢かれて死亡。車は一旦立ち止まるもそのまま逃げてしまいます。
児玉と重松は佐伯の遺体を山に埋めます。
そして、車に乗っていたのは山内。
山内は児玉と重松が遺体を埋める姿も目撃していました。
呪いの墓穴
過去の封印していた記憶が呼び起された山内は悪夢にうなされるようになり、原稿の続きを読みたいと思うようになります。
八木沢の職場では作家の本屋敷がアマチュア作家の作品をパクったことが話題になっていました。本屋敷は投稿作品の下読み(評価)をする際、原稿のコピーを取り、盗作のネタにしているという噂が立っていました。
「ザシス」のコピーもあるのではないかと考えた八木沢は本屋敷の自宅へと向かいます。本屋敷は盗作疑惑に苛立っており、話を聞くことができずに追い返されます。
罪の意識に苛まれた山内は八木沢と晋太郎に過去の出来事を報告。
佐伯が亡くなっていることを伝え、死体が埋まっている現場に向かいます。すると、死体が埋まっている場所が掘り返され、死体はありませんでした。
「ザシス」2巻あらすじ
次の番
死体を発見できなかったことから山内は日に日に憔悴していきます。
山内を心配する八木沢と晋太郎は佐伯遥人の実家に訪問します。実家では遥人の母親が対応したため、同窓会の招待状を見せて行方を聞きますが、遥人は行方不明であることが告げられます。
一方、佐伯遥人を山に埋めた児玉と重松にも同窓会の案内状が届いていませんでした。
次のターゲットになることを恐れる重松と強気の姿勢を崩さない児玉。
招待状の来ない山内は重松へ連絡をして、招待状が来ていないことを確認します。重松は山内に招待状が来ていないことに安心しますが、山内は殺しのターゲットになっている人物には招待状が届いていないのだと確認して、更なる恐怖に震えます。
そんな折、重松は自宅付近で、謎のお面を被った男に襲われてしまいます。
授賞式にて
山内は仕事も手につかず、ボーっとすることが多くなったため、校長先生から休職を言い渡されます。
八木沢は山内を心配し、自身が働いている雑誌社の授賞式へ連れていきます。
授賞式では作家の八名四十四が登壇し、挨拶を行っていました。
八名の姿を見た山内は”八名四十四が仁志和真の父親であることに気づきます。八木沢は息子(和真)も会場に来ていることを知っており、そのことを山内に伝えます。
山内たちは会場を探し回り和真を発見します。和真に同窓会の案内状や「ザシス」について聞きますが、同窓会の案内状も届いていないし、ザシスも知らないと突っぱねられます。
トイレに戻った和真はポケットに忍ばせたスタンガンを確認するのでした。
同窓会前夜
パートナーが妊娠したことが発覚した児玉。妊娠したことに腹を立てて暴力を振るいます。
その様子を双眼鏡で見ていた仮面の男は児玉が苛立って外出した先を狙って、金属バットで襲い掛かります。スタンガンをあてたあと、金属バットで何度も殴打します。
山内は和真が何かを隠していると感じ、再度会いに行こうと計画。晋太郎も同窓会をキャンセルして、山内に付き合うことを決めます。
八木沢も一緒に行動しようとしますが、本屋敷が自殺騒ぎを起こしていると聞き、本屋敷への自宅に向かいます。
山内たちは八名四十四の自宅に向かう途中、パトカーが集まっていることに気づきます。騒ぎの中を覗いてみるとそこには重松巨の死体がありました。
野次馬の中に和真がいることを発見した山内たち。和真を追っていきますが、山内は和真によってスタンガンを突き付けられてしまいます。
清算
気絶した山内を見下ろす和真。晋太郎は安否を確認しようと山内のスマホに電話をします。
すると和真はスマホを取って電話に出ます。和真は自分も狙われていると感じており、山内・晋太郎に対して「自分を狙うな」と警告を発します。
和真は警告を発して現場から離れていきますが、仮面の男が現れ、スタンガンを突き付けられます。
山内は警察に自首しようと考えていましたが、姉が結婚式を控えていることを知り、晋太郎の代わりに同窓会へ参加することを決めます。
佐伯遥人の呼びかけで集まった、かつてのクラスメイトと担任。呼び出された会場で雑談をしていますが、佐伯は現れず、会場の職員からも予約はされていないと言われてしまいます。
開宴
本屋敷宅の前で説得を続ける八木沢。本屋敷は熱意を負けて、八木沢を自宅に招きいます。
投稿された原稿をコピーしていた本屋敷ですが、「自分は記憶力が優れている」とコピーしたことを認めない状態で、ザシスのあらすじを話すことを了承し、八木沢にザシスの結末を伝えます。
集まったクラスメイトと担任は佐伯遥人名義で送られた手紙によって、佐伯遥人宅へと向かいます。
大広間に招き入れられるとモニターから画像が流れます。
モニターに流れたのは過去に鈴木侑己がイジメを行っていた映像と鈴木侑己がビルから突き落とされて死亡する映像。続いて、川瀬拳士がイジメを行った音声と川瀬拳士がネズミによって殺害された映像が流れます。
「ザシス」3巻あらすじ
戦慄の代償
佐伯宅に入ったクラスメイトと担任が川瀬殺害のビデオを見ている途中、猛犬が部屋に入ってきます。クラスメイトたちは必死に扉を閉めて犬の侵入を防ぎます。
八木沢は山内と電話を繋いだ状態で本屋敷の話を聞きます。
ホテルは最初から予約をしていなかった。主人公はもともと自分の家を会場にするつもりだった。
同窓会の目的は「復讐」
ただの復讐ではない。自分をいじめた奴らを自分がやられた何倍も酷いやり方で殺して、それを映像に収める。主人公はいじめられていた時、音声をICレコーダーに録音していた。
主人公の真の目的は、音声に続けて自分がいじめっ子たちを殺害する様子を収めた映像を、同窓会に集まった連中に見せつけること。
残酷な川瀬の死亡シーンを目の当たりにして、叫びたてるクラスメイトたち。
続いて重松が佐伯をいじめている音声が流れた後、重松が殺害されるシーンが始まります。
重松は川瀬同様、地下室のベッドに縛り付けられ、強制的にロートを咥えさせられる。そのロートに延々と水を入れる仮面の男。飲水によって腹が膨れると仮面の男はバットで思い切り殴りつける、何度もこの行為を繰り返すうちにぐったりした重松は川に捨てられた。
僕のいじめを見てみぬフリをした奴らに、僕のいじめを座視した奴らに、一生忘れられないトラウマが残ればいい。
これよりLIVEにて
恐怖映像を流された事で阿鼻叫喚となるクラスメイトたち。
そんなクラスメイトたちに見せつけるように児玉凌が、佐伯をいじめていた音声が流れます。
僕の顔には一生消えない傷が残っている。
コマダくんには一番痛い思いをさせられた。だから彼には一番痛い思いをさせたかった。
児玉の殺害シーンが始まります。椅子に縛り付けて、口に野球のボールを押し込まれた児玉。仮面の男はナイフをつかってゆっくりと顔の皮を剥がしにかかる。
口を開けさせているせいか、肉がつっぱってなかなかうまくはがせない。僕は思いきって深めに顔をえぐった。
顔の筋肉の組織が見える、血があふれ出す。コダマくんが何か叫んでいるけど「うごうご」言っているだけで、何と言っているかわからない。
僕は思いきって充分にナイフを入れると渾身の力でコダマくんの顔をはぎ取った。
顔を剥がされ、血だらけになった児玉は死亡。この姿をみたクラスメイトは泣き崩れ、叫び出します。
児玉のシーンまで放送が終わった時に山内と晋太郎が、佐伯宅に到着。クラスメイトたちを助けるために佐伯邸の門を通過していきます。
主人公には、どうしても殺さなきゃならない奴が、あと2人いる。
広間のモニターがLIVE配信に変わり、現在の広間の光景とある部屋を映し出します。
入ってきたのは仮面の男と、車椅子に縛り付けられた仁志和真。
和真くんは僕がいじめられている時、いつも黙ってじっと見ていた。みんなと一緒に笑っていたことがあるのも知っている。
そしていつも、いじめが終わったら急に心配顔を装って、優しく近づいてきた。親友のフリをしやがって!偽善者め!
仮面の男はクロスボウを取り出し、和真の顔につきつけます。
ただ座視するだけの目など貫いてやる
モニターを見るクラスメイトが叫ぶ中、仮面の男は引き金を引きます。
最後の一人
佐伯邸の2階から建物に侵入する山内と晋太郎。侵入した部屋には佐伯遥人の写真が部屋一面に飾られていました。
仁志和真の顔にクロスボウの矢は当たっていませんでした。仮面の男は置いてあった椅子を反転させると、そこにはミイラ化した佐伯遥人が座っていました。
遥人にクロスボウを持たせる形で和真を狙う仮面の男。何度か矢を放つも命中させる事が出来ず…
その映像を見ていた担任は「自分がいじめに気付きながらも止めなかったことに涙し、自分を殺せ」と叫び出します。
山内たちが侵入した部屋には殺害リストとして児玉たちの写真が飾ってありました。その中には貼ってあった写真は田宮晋太郎がいました。
田宮は山内に知られないよう写真を隠します。
僕はこのいじめには、首謀者がいることを知っていた。
そいつは家が金持ちなことが自慢だったが、僕のお父さんが死んで僕に莫大な遺産が入ったことを知って、僕に嫉妬したらしい。
イジメの首謀者は田宮晋太郎でした。
晋太郎は自分の金の力を使って、児玉凌たちに佐伯遥人を虐めるよう依頼。親の権力を使って、担任にも佐伯へのイジメを見逃すように脅迫をしていました。
和真くんが目を貫かれて死んだのを確認したあと、僕はカメラに向かって笑ってみせた。
最後に殺したい奴がそこにいるからだ。
僕を映し出しているカメラに向かって「来い」と一声かけると二頭の大型犬が客間に入ってきた。そして最後の命令を下した。
「やれ」その合図で二頭の大型犬は最後の一人に襲い掛かった。
犬には標的が分かるように『必ず黄色いネクタイを御着用のうえ、お越しください』と文章を添えた。
最後の殺しのターゲットである晋太郎は、山内に黄色いネクタイを着用させて、佐伯邸から脱出します。
山内は犬に追われ、屋敷内を逃げ回っていると仮面の人間と仁志和真がいる部屋へと入っていくのでした。
告白(最終話)
遥人の死体と直面して、涙ぐむ山内…
仮面の人間は山内をみて「ハガキを持ってきた奴じゃない」と呟き、仮面を外します。
仮面の人間(犯人)は、佐伯遥人の母親でした。
- 犯人の動機
- 1年前、母親が遥人につけていたGPSの反応が無くなった。
発信が途切れた山へと向かうが、遥人を見つけることが出来ず…
そんな中、遥人の机の引き出しから「小説(ザシス)」を発見。
今まで遥人がどのような目にあったのかを理解し、1ヶ月前に遥人の死体を見つける。
遥人を殺害した人物たちに復讐しようと決めた。
母親は、遥人のイジメを座視していた和真を殺害しようとしたとき、山内は自分が遥人を殺害したことを告白。山内の告白を聞いた母親は、襲い掛かりますが、遥人の死体に持たせていたクロスボウが母親の脳天を貫き死亡。
山内・和真らをはじめ、クラスメイトたちは屋敷を出てきます。
自らの罪を受け止められない山内の前に、八木沢がタクシーで駆け付けます。
山内くんだけはいじめを座視しなかった。
殴られてでもいじめを止めようとしてくれた。感謝しかない。だから彼は復讐の同窓会に呼ぶようなことはしない。山内くんだけは特別なんだ。
遥人の小説には上記のメッセージが添えられていたことを伝えて、一緒に自宅へ帰っていきます。
かつて、自分の背広に入っていた「ウチのクラスでいじめがあります」というメモ書きは、自分が学生時代に遥人のイジメを止めようと担任に渡したメモであることを思い出すのでした。
2人が話していると晋太郎が現れます。
八木沢にザシスに書かれた小説の内容を読んだか問うたあと、自分のしたことは大したことがないと責任逃れを行う晋太郎を他所に、山内は警察の調査が入ったときにすべてを話そうと決意をしていました。
一方で、山内は「母親一人でこれだけの犯行を行うことが出来るのだろうか?」という疑問を持っていました。
晋太郎は悪びれる様子もなく、山内に貸した黄色いネクタイを取り戻し帰路につきます。晋太郎が帰っている様子をみた何者かが「やれ!」と声をかけると、大型犬2頭が晋太郎に襲い掛かり、脳天と喉笛を掻き切ります。
犬に殺害される晋太郎の傍で佇む人物の靴を描き、「ザシス」は終了となります。
まとめ
ここまで「ザシス」全編・あらすじの解説を行ってきました。
3巻という短編でしたが、全員が容疑者にみられるような展開幅の広いミステリーを見せつつ、最後はホラーテイストの要素を含めたエンディング。
サスペンス漫画として、とても美しい作品でした。
森田まさのりさんと言えば、代表作「ろくでなしブルース」「ROOKIES」でお馴染みのレジェンド作家。「べしゃり暮らし」も学園ものの漫画ということで、ヤンキーを題材にした学園物の漫画を得意にしているイメージを持っていましたが、「ザシス」のような素晴らしいサスペンス漫画も書けるのかと感動しました。
「最後に現れた真犯人は誰なのか?」
この考察も楽しい作品で、映像化も期待できそうですね。