漫画「シグナル100」考察!映画と漫画(原作)の違いはどこ?下部先生の生存について考えてみた(ネタバレ注意)

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2015~2016年に「ヤングアニマル」にて連載された大人気漫画「シグナル100」における謎や伏線について考察を行っていきたいと思います。

初版発行日2016年2月29日発売
作者原作:宮月新、作画:近藤しぐれ
巻数全4巻(コミックス)
ジャンルサスペンス、バイオレンス、ホラー
Wikipediaシグナル100のWikipedia

伏線を説明する上であらすじや最終回の解説を行うためネタバレを含む場合があります。

シグナル100のあらすじ

舞台はクラス崩壊をしている高校。

樫村怜奈のいる2年C組は荒れに荒れていました。

担当の下部先生(しもべ)は授業が成立していないだけではなく、生徒にいじめられ続け、他の先生からクラスの成績不振を問い詰められ、精神的に追い詰められていきます。

そんなある日、下部先生は授業と偽って生徒を視聴覚室に呼びつけ、集団催眠映像を見せるとクラス全員が集団催眠にかかってしまいます。

その催眠とは『ある条件を満たすと自殺してしまう』という催眠

そして、自殺に及んでしまう引き金となる行動は100パターン存在します。

この悪夢のような催眠を解くため生徒たちは下部先生を問い詰めますが、下部は窓から飛び降り自殺。

催眠が解けない状況になってしまいます。

催眠を解くカギはたった一つ

「自分以外のクラスメイト全員が死ぬのを見届ける事」

自分以外の人間が全て死なないと自分が死ぬことになってしまう最悪の状況下で、2年C組の生徒達による地獄が幕開けします。

  • 生き残るのは誰なのか…
  • 自分以外のクラスメイトが死ぬ以外に催眠を解く方法があるのか…

催眠術の恐怖が2年C組を襲う!

シグナル100の最終回

人を殺したくないと最後まで願いながら、自分が死にたくないという欲求に負けて、和田を殺し、クラス唯一の生き残りとなった樫村。

生き残りとなった樫村怜奈のまえに現われたのは下部先生のホログラフィー

下部のホログラフィーは樫村の自殺催眠を解きますが、実は怜奈にかけられた催眠は既に解けていました。

催眠を解くもう一つの鍵(条件)として「下部先生への謝罪」があり、今まで下部に酷い事をした事を心の中で謝罪していた怜奈は催眠から逃れていたのでした。

日が明けて警察が介入し、不可解な事件ながら今回の一件は決着

怜奈は和田殺しの罪を認めたものの未成年という事で不起訴になり、樫村は学校を卒業。

その後、勉強をして学校の先生に就職します。

2年C組での悲劇を忘れぬよう崇高な志を持って教育にあたる怜奈ですが、樫村先生が受け持つクラスはかつて下部先生が受け持ったクラスと同様に崩壊していました。

生徒からバカにされる教師樫村は下部先生の気持ちが理解すると、下部先生の自宅から自殺催眠動画を盗み、自分のクラスの生徒達を視聴覚室に呼び出すのでした。

映画と漫画(原作)の違いはどこ?

シグナル100は2015~2016年に「ヤングアニマル」にて連載された漫画ですが、2020年には橋本環奈さん主演で映画化されています。

シグナル100のキャスト

シグナル100のキャストは以下の俳優が演じています。

シグナル100のキャスト
樫村怜奈:橋本環奈
榊蒼汰:小関裕太
和田隼:瀬戸利樹
西園寺聖也:甲斐翔真
藤春昴:中尾暢樹
桐野玄:福山翔大
羽柴健太:中田圭祐
園田樹里:山田愛奈
小泉はるか:若月佑美
関克美:前原滉
山本英司:栗原類
箕輪紀子:恒松祐里
野島芽衣子:工藤綾乃
久保田純哉:中島健
吉川絵美:三上紗弥
君津早苗:鈴木つく詩
伊沢学:白石拳大
小宮山澪織:北村優衣
堂上真一郎:市川理矩
児玉力:小出水賢一郎
朝比奈優子:さいとうなり
萩野里未:宮下一紗
森聡志:安田啓人
加藤涼:神田穣
藤田陽太郎:東啓介
米村麗華:真崎かれん
佐々木萌香:駒形咲希
日野匠:宗綱弟
小山内夏生:戸苅ニコル沙羅
江崎大和:吉田仁人
水谷雫:山本彩加
津島愛:大森つばさ
安西桃子:河井つくし
渡辺望:中島来星
坂本紀人:黒澤胤也
鈴木みのり:宮本夏花
下部:中村獅童

漫画(原作)の違いはどこ?

私はシグナル100の映画はNetflixでシグナル100を見たのですが、基本的には原作をしっかりと踏襲したうえで実写版独自の面白さを出していると思いました。

その中で原作(漫画)との違いがありましたので、その点について考察していきます。

映画と漫画(原作)の違い

・エンディングが大きく異なる

・映画版のストーリーがところどころ端折られている

  • エンディングが大きく異なる

漫画でのシグナル100のエンディングは樫村が下部先生の意思を踏襲して(操られて)、自殺催眠をクラスメイトにかけようとしてしまうという悪意に満ちたエンディングになっていました。

対する映画でのエンディングは下部先生が生きており、樫村が下部に対して制裁を加える為に監禁して、自殺催眠を見せるという勧善懲悪に近い形でのエンディングになっていました。

エンディング以外はストーリーに大幅な修正は加わっていませんでしたが、唯一エンディングだけはそもそもの筋が違っていましたね。

「シグナル100」という作品はホラーに寄ったサスペンス漫画で、原作は「不能犯」や「虐殺ハッピーエンド」などを手掛けたダークサスペンスのカリスマ宮月新さん。

当然後味の悪いエンディングになる訳ですが、映画となると橋本環奈さんのファンなどライトな層が観に行くので、作品をソフトに仕上げたという思惑があるのではないかと考察します。

  • 映画版のストーリーがところどころ端折られている

シグナル100は全4巻とボリュームは多くないものの、様々な要素が凝縮されて描かれており、目まぐるしくやり取りが行われています。

その中で映画は上映時間88分と限られた時間になっているため、ところどころ端折られています。

下部によって家族を人質に取られた他の先生とのやり取り、下部と結託していた朝比奈、小宮山とのやり取り、3度に及んで施されたボーナスタイム等々。

ボリュームが減ってしまっていた事は尺の都合上仕方がないと言えるでしょう。

下部先生はなぜ生きていた?

シグナル100の映画と漫画ではエンディングに大きな違いがあるのですが、なぜ下部先生は生きていたのでしょうか。

映画を見てみると漫画と同様に下部先生は窓から飛び降りて命を落とすようなシーンがちゃんとあります。

そのうえでなぜ下部先生が生きていたのかを考察してみました。

下部先生が生きていた理由

・瀕死の状態ながら生き延びていた

・自分が死ぬシーンを見せる催眠をかけていた

・超人なので何でもありだった

  • 瀕死の状態ながら生き延びていた

窓から飛び降りた下部先生ですが、死亡を確認するようなシーンはありませんでした。

実際の映画でも下部の遺体を検証するシーンなどはなく、体(死体?)もいつの間にかなくなっていました。

落下後のシーンを見ていると、そう簡単に動けそうにないように見えましたが、比較的当たり所が良く生き延びる事が出来たと考えることも出来ます。

しかし、いなくなる速度と樫村が生き延びて再会するときの下部の様子を見ると、瀕死の状態で生き延びた可能性は低いのではないかと考察されます。

  • 自分が死ぬシーンを見せる催眠をかけていた

そんなに都合のいい催眠をかける事が出来るのかという疑問はありますが、そもそもの前提となる集団自殺催眠が現実的なものではないので、下部が自殺するシーンを見る催眠をかけた可能性は十分に考えられます。

この説であれば、下部の死体を発見できなかった事や、最後に下部がピンピンした状態で生き延びていた事の説明はつくので一番有力だと考察します。

  • 超人なので何でもありだった

下部は頼りない男という描き方がされていましたが、実際に自殺する催眠を集団にまとめてかけられるという事はかなりの特殊能力です。

人知を超えた能力を持っているのであれば、窓から飛び降りても重傷を負っても簡単に治癒は出来る

そのような解釈があってもおかしくないと思います。

細かい事は考えずに「下部はスーパーマンだった」という設定も可能性はあると考察できますね。

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