「新しい結婚生活」あらすじ・最終話解説など【ネタバレ注意】

「新しい結婚生活」は2021～2022年に『ヤングアニマルWeb』に連載されていた人気漫画。

ここでは「新しい結婚生活」のあらすじ・最終回を解説します。

初版発行日	2021年7月8日発売
掲載誌	ヤングアニマルWeb
出版社	白泉社
作者	本田優貴
巻数	全5巻（コミックス）
ジャンル	サスペンス
Wikipedia	「新しい結婚生活」のWikipediaはなし

「新しい結婚生活」を無料で読むには

「新しい結婚生活」は「マンガPark」という無料アプリで読むことが出来ます。※iOS・Android双方で使えるアプリです。

「新しい結婚生活」の登場人物

共犯者（登場人物）

中村義実
中村愛里
山口亜利沙
早乙女静香
織田将馬（オダショー）
翼純一
猫男
沼田和伸
沼田誠司
菅原直人

「新しい結婚生活」のあらすじ

「新しい結婚生活」0本編のあらすじを紹介します。

1巻のあらすじ

プロローグ

不妊治療を始めて5年、費やしたお金は800万円以上。

家賃3万円のボロアパートに住み、外食などの贅沢は一切行わず、時間・お金・精神力を使い妊娠に向けて頑張ったものの、夢が叶うことはなった義実と愛里。

2人は断腸の思いで、妊娠を諦めることに。

結婚して、子供を産むことが全てだと思っていた義実。夜の営みを行った後、虚しい気持ちが襲い、一家心中をしようと試みます。

必死に止める愛里。落ち着きを取り戻した義実は、不妊治療を諦める代わりに、自分たちがやりたい事をやろうと提案。

愛里は熟考した結果、「仕事をしたい」と申し出ます。

働き始める愛里

お弁当屋で働き始める愛里。

労働の経験がほとんどない愛里。同僚の静香・亜利沙らにいじられながらも、可愛がられるなか、新しい生活をスタートさせます。

美しいビジュアルを持つ愛里。彼女を目当てにやってくる男性客も増えて、1人からは告白されることに。静香らに相談すると、「一度デートしたら？」と煽られますが、不倫はしないと決めていた愛里は拒否。

後日、愛里は静香・亜利沙に誘われて、歓迎会に行きます。

歓迎会にはAV男優である織田将馬（オダショー）・翼純一・猫男の3人がいました。

酒に酔った愛里は、旦那とのセックスレスについて話し出します。するとオダショーは、セックスの7つ道具を愛里に伝授。愛里が理想のセックスを出来るようコンサルする事を申し出ます。

自宅に戻った愛里。酔いつぶれた上に、AV男優の名刺を持っていたことから義実は激怒。躾と銘打ってビンタしようとしますが、愛里はオダショーに会うよう懇願。

性行為と向き合う夫婦

愛里の話を聞いた義実は、オダショーの元へ行きクレームをつけることに。愛里やオダショーを殴りつける義実に対して、オダショーはセックスのレクチャーを受けるよう説得。

ビデオを見せて、セックスの愛を説くオダショー。

2巻のあらすじ

性行為と向き合う夫婦

義実は子供を産むために義務として精子を出していたことを告白し、セックスに対して恐怖を抱いていることを告白。

トイレに逃げ込み、塞ぎ込んでしまいます。

愛里は、義実が弱さを見せてくれたこと、不妊に対して責任を感じていたことに感動し、心が通じ合ったと感動。

結婚してから初めて本音で話し合うことが出来た2人。義実は愛里をベッドに押し倒し、オダショーにレクチャーを依頼します。

オダショーは丁寧に、キスのやり方・愛撫の仕方・クリトリスの舐め方・Gスポットの探り方・腰の振り方を指導。

義実と愛里は、今までにないセックスを体験。2人は同時に絶頂へと達するのでした。

愛のあるセックスが完了したことで、オダショーは自宅へと帰っていきます。

義実は、いままで強い自分を演じるために、愛里をビンタしていた事を謝罪。ビンタを喰らうことで過去を清算したいと懇願し、愛里のビンタを喰らって仲を深めるのでした。

早乙女静香の癌

その頃、バイト先の先輩である早乙女静香は、医者から”がん告知”を受けていました。

翌日、バイトに向かう愛里。働いていると、以前電話番号を渡した男が現れます。愛里は、自分が既婚者であることを告げて、誘いを断ることに。

バイトが終わり、それぞれ自宅に帰る従業員たち。静香は、がんである可能性を告げられたことを旦那に告げることが出来ずに、一人で思い悩みます。

3巻のあらすじ

早乙女静香の癌

職場の歓迎会が、合コンであったことを抗議した愛里。静香を言い合いになり、ギクシャクした関係に。

愛里は、静香との関係を修復したいと考え、謝罪をしようと考えます。

職場では仲直りのきっかけを掴めないことから、仕事終わりの静香を尾行することに。静香は合コン相手だった猫男と一緒にデートに出掛けていました。

会員制のプールに入った2人を追って、一緒にプールに入る愛里。

愛里はストーカー行為を行った上に、自分の価値観を押し付けたことで、静香は激怒。プールを出ていき、もうすぐ終わってしまうであろう人生に絶望して、泣きじゃくります。

翌朝、家に帰ってきた静香。

夫に「男と寝てきた」と吐き捨て、部屋に閉じこもることに。夫はただならぬ気配を感じて、仕事を休み静香と向き合おうとしますが、口論になり大喧嘩勃発。

静香は刃物を持ちだし、大騒動になるなか、愛里と亜利沙が乱入。なんとか事態を収拾しようとしまうが、愛里は逆に場を荒らしてしまいます。

大混乱となるなか、静香は「自分が癌にかかったことを告白」。場は一気に静まり、夫は外に出ていくことに。

愛里と亜利沙は、「病気を詳しく調べて、癌と向き合おう」と静香を説得。闘病生活に入ります。

その後、静香の手術は終了。2人の励ましもあったせいか、手術は無事に成功。

父親からの連絡で3人の息子が病院に駆けつけ、養生を続けます。ふくよかだった体は、入院生活でスリムな体型に戻り、退院の日を迎えます。

病院から出ると、今まで顔を見せなかった夫が現れます。静香は無言で夫の車に乗り込み、言葉が少ないながらも仲直りをするのでした。

後日、愛里の勤める弁当屋に沼田和伸という男が、アルバイトとして雇われることに。彼はかつて愛里に告白をした客でした。

4巻のあらすじ

愛里vsストーカー

沼田は弁当屋で勤務を始めますが、まともに働く気がなく、仕事中ずっと愛里の姿をスマホで撮影し続けます。

品出しでは、陳列した商品を倒して、お客には挨拶が出来ずにクレームがつく。愛里は、沼田を呼び出して説教行うが、まったく効果なし。

手応えが掴めず、疲労した状態で自宅に戻る愛里。

自宅に到着すると、沼田がカメラを持ちながら待ち構えています。沼田はどもりながらも、愛里に告白を行います。

愛里は既婚であることから、懸命に断りますが、沼田は聞く耳を持たず。

この状況で義実が帰宅。愛里は義実に事情を話すと、義実はストーカー行為をみなして警察に電話をかけようとします。

すると、沼田は持ってきたロープをアパートの2階のかけて、首つり自殺を敢行。義実と愛里は、首吊りを必死に止めようとします。

義実が支える中、愛里が包丁でロープを切って、一命はなんとか取り留めることに。沼田の落下を支えた義実は意識を失うなか、沼田は包丁を奪い取り、2人を拘束。

沼田は兼ねてから撮影していた動画を2人の前で再生。

沼田はこの動画の続きを撮って、映画を作りたいと義実・愛里に懇願。

義実は拒否をして、警察に通報しようとしますが、愛里は警察に連絡することを拒否。沼田を追い返すことで、その場を収めます。

翌日、アパートで待ち伏せする沼田。

義実は沼田を連れて、沼田宅へと向かいます。沼田の父親と対峙する義実は、「虐待を止めて、しっかりと育てろ」と説教をしますが、父親は激怒して対立。

父親は唾を吐いて、家の中に戻っていく姿を見た義実。沼田に肩入れをして、映画の撮影に協力することを告げます。

愛里を含めて、撮影の打ち合わせをする3人。沼田と愛里のデートシーンを撮影するために、遊園地に行き、無事に撮影を終えます。

満足して帰宅する3人ですが、アパートに戻ると警察が待ち構えていました。

5巻のあらすじ

逮捕される夫婦

「未成年略取」の容疑で、警察署に連れて行かれる義実と愛里。

取調室に連れて行かれた義実に対して、刑事は「逮捕状」を提示。

2人はそれぞれ留置場に収監され、拘留生活がスタートすることに。

義実と愛里は、沼田の映画撮影の協力をしていたと訴えるものの、常識的には考えられない行動であることから信用されず。

国選弁護人（当番弁護士）である菅原直人から、事情と状況を聞きながら拘置所生活を続ける義実。刑務所の中では、ホモセクシュアルの囚人がいるなど、苦しみながらも拘置所生活を続けます。

沼田の父親である沼田誠司は、義実・愛里から金を奪うことを考えて、警察に被害を申請。息子である沼田和伸を黙らせて計画を進めていきます。

良心の呵責に耐えられなくなった沼田和伸は、義実・愛里の元へ面会へ行き謝罪。義実から、「自分がこれからどうしたいかを考えろ」と言われたことから、無実を晴らそうと行動を開始。

沼田和伸の異変に気付いた父誠司は、暴力で和伸を服従させようとしますが、現場を菅原直人に見られたことで虐待の事実が発覚。

虚偽告訴罪によって逮捕されることに。

沼田誠司が逮捕されたことによって、釈放された義実と愛里。義実は菅原に礼を伝え、愛里の元には静香と亜利沙が迎えに来ます。

静香たちの提案で釈放パーティーを行うことになった4人。愛里の自宅でホームパーティーを行っていると沼田和伸が訪問。

義実が沼田和伸を呼んでおり、静香たちに彼の人間性と生い立ちを説明し「悪い人間ではない」と擁護。沼田も静香たちにしっかりとした謝罪を行い、静香たちとのわだかまりも解けます。

沼田は映画の撮影を再開したいとお願いすると、静香・亜利沙も加わって5人で映画撮影を再開することに。

一方、沼田誠司には2年3ヶ月の懲役が言い渡されます。

映画撮影が全て終了した沼田和伸。4人に礼を告げて、自宅に戻っていきます。

最終回（5巻）のあらすじ

4人は楽しくどんちゃん騒ぎを行い、翼純一が迎えに来たことで、亜利沙と静香は帰宅。楽しい日々を過ごした2人は、その後はオダショーに教わった方法でセックスを行います。

• オダショーが裏方を募集していたことから沼田を紹介したい。
• 静香の癌は術後の経過も順調で、月に1度旦那さんと温泉旅行に行っていること。

色々な話をするなかで、2人は不妊治療時とは比較にならないくらいに、今が幸せであることを実感します。

• 一緒にショッピングデートをする
• 一緒にハワイに行く
• 四国一周うどん旅
• 引っ越して広い家に住む
• 分厚いステーキを食べる

数々の夢を語り合う義実と愛里。

話している最中、義実は不妊治療の再開を提案。以前のようにそれだけのために生きるのではなく、今ある幸せな人生の中に加われたらいいなというモチベーションで始めようと約束します。

翌日、義実は会社に出勤して、愛里は義実を見送ります。

愛里は弁当屋に向かうなか、以下のように思います。

愛里の思ったこと

私の幸せ。

一緒に寝て、一緒に起きて、一緒に食事して、一緒に歯みがき。
何かあった時は一緒に苦労して、楽しいことがあれば一緒に楽しみたい。
どんな些細な事でもいい。この先の人生がなるべく笑顔の多い人生でありますように、壮願を込めて一緒に年を取っていきたい。

「私は今、幸せです」

そう思いながら、弁当屋に到着した愛里を描いて、「新しい結婚生活」は終了となります。

まとめ

ここまで「新しい結婚生活」のあらすじ・最終回を解説しました。

最初はDV夫と洗脳妻？というとっつきづらいオープニングでしたが、そのうち「真面目なエロ漫画」→「粘着ストーカーのサスペンス漫画」→「急に逮捕されるドタバタコメディー」とテイストを変えてフィニッシュ。

本田優貴さんらしい、とんでも展開の作品でした。

これだけドタバタしながら、最終巻まで進んだにもかかわらず、最終巻（5巻）では思わずホロっと来てしまう流れになっているのが、心憎いところですね。

「ただ離婚しないだけ」「東京闇虫」など面白い作品が多いので、本作を含めて本田作品を是非堪能してください。